男たち、野獣の輝き

旧映画ブログです。

Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

エイリアン・ディレクターズカット★★★1/2

やっぱり傑作。

ディレクターズカットになって、ちょこちょこと短くなっていて、未公開映像も付け足されている。
一番重要な、リプリーがダラスとブレッドのアレと遭遇するシーンは、そのシークエンスの流れを(緊張感)妨げているようにも感じました。(ただ、このシーン自体のインパクトは相当凄い)
このシーン自体も、LDなどに収録されているバージョンとは若干違っており、短めになっている。そりゃ、爆破装置をセットしていながら悠長にあんなところで焦っていられないという感じで。

アッシュがタッパみたいなコップで飲み物を飲むシーンで、あとちょっとぐらい飲め!と忠告したくなるような残し方をするんですが、飲み干す寸前に切られてました。ははは。やっぱりリドリーも気にしていたか(多分ない)。

あと、ジョーンズ(猫)を気にしているエイリアンのショットのカット尻が長くなって、「興味ねえんじゃ!」とケージごと薙ぎ払うのが追加。これは、公開当時、このショットのせいで「ジョーンズの中にもタマゴが植えつけられているかも」という噂があったので、それを否定しているのでしょう。多分。

それも含めて、シガニー・ウィーバーの猫ケージの扱いは酷くて面白いですが(あんなことされたジョーンズ死んでますな)

とにかく、ダン・オバノンのシナリオが素晴らしくて、徹底的に危機的状況を煮詰めているのと、エイリアンの生態的な仕組みを有機的にそのギミックとして機能させている点が凄い。(やっぱり酸の血液の設定は秀逸)
あと、「5分過ぎると爆破停止ができません」という素晴らしい装置が最高です。あのサスペンス・シークエンスは物凄い緊張感!

挙句に、すべてが帳消しになるクライマックスの絶体絶命ぶりですからね。完璧です。

それからギーガーのデザインや、ロン・コッブなどの美術デザインがまったく古さを感じさせないし、リドリー・スコットの神がかり的に絶妙な演出も素晴らしいです。
どん引きのスケール感溢れるショットや、ダクト内での画面殆ど真っ黒な空間処理などなど劇場で観ることしか前提にしていない点が多々あって凄いです。最近のスコットの乱れた演出と比べると、いかにこの時のスコットがいい仕事をしているかがわかります。


余談
劇場で毎日一名様にあたるということで、4月30日に発売されるDVDボックスが展示されていたのですが、エイリアン・ヘッド・レプリカが入れ物になっているのが凄かったです。発売する品もあれだろうから、置き場所が迷いどころ。