男たち、野獣の輝き

旧映画ブログです。

Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

Halloween 【Blu-ray】 (1978)


Halloween 【Blu-ray】 (1978)
Starring: Jamie Lee Curtis Director: John Carpenter
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The Shape(シルエット;幻影, まぼろし;幽霊) Stalks(忍び寄る)

アンカーベイは二枚目ですが、こちらも『ゾンビ』同様かなり高クオリティで安心しました。二層AVCで、リニアPCM5.1chに加えて、オリジナルのモノラル音声もちゃんと収録しているのが分かっています。LD時代からの音声解説もちゃんと収録。ドキュメンタリーも収録されて隙が無いです。

5.1chのリミックスもオリジナルを尊重してヘタな味付けはしていないのが好感が持てます。精神病院での脱走シークエンスでは雨の音が部屋全体を包み込むようにして圧倒的です。

昼間のシークエンスでは画質がよすぎて、シェイプのマスクなどもハッキリ見えてしまうのが凄いです。映画館で観ることを前提としている引きのショットがクール過ぎる!

ハロウィン ― オリジナル・サウンドトラック ?20th anniversary Edition

カーペンターの出世作である本作ですが、カーペンターの音楽で唯一世界中で知れ渡っている知名度を誇りますね。他の音楽も素晴らしいんですが……
クライマックスでいよいよシェイプがジャミー・リー・カーティスに襲い掛かる場面からかかりはじめる”The Shape Stalks”のカッコよさと緊張感は素晴らしいです。
固定ショットでのカットを一定のリズムでカットバックする編集も異様にかっこいいです。隣の家から現れたシェイプがヌシヌシと歩いて道路を横断して向かってくるショットはシネスコ絵画的にも圧巻!!

・・・

リメイクを観てから本編を観なおすと、この映画には様々な性質が備わっているなと感じます。

後に与えた影響としては”連続殺人鬼がティーンエイジャーを次々と殺す”という部分が大きいですが、カーペンターの凄いところはそういうドライブインシアター向けの要素をしっかりと踏まえつつ(それだけでもかなり先進的なのに)、道徳や良心、感情などが欠落した人間の恐怖と言う近代的なテーマを、ハロウィンの”ブギーマン”(wikipedia)になぞる事で普通のサイコホラーにしていないところですね。
ブギーマン”をモチーフにすることで、ティーンエイジャーだけでなく子守をしている子どもたち(男の子と女の子)の視点まで取り込み、マイケル・マイヤースが同じく子供の頃に最初の殺人を犯すという対比構造を持ってきてやたらと深遠な奥深さを持たせていますし。
マイケル・マイヤースが殺しをする際のきっかけになるのがSEXと言うのも、お色気シーンが必要なティーン向け映画としての枷を逆手にとって非常に深読みの出来る設定になっていますよね。『13金』などの後続の作品がただのお約束でお色気シーンがあるのとは一線を画しています。
シェイプが常に神出鬼没で周辺にまとわりつくだけなのも最高で(いまやストーカー物としても捉えることが可能です)。今となってはすぐ側にいるのに「どうして襲わない?」というあたりが、逆に異質の恐怖を感じさせますね。殺人鬼はバーンとビックリさせてグサっと殺すのが定番になっている現在に、シェイプが今でも孤高の存在である部分だと思います。また、『ハロウィン』自体のシリーズ作品ともハッキリと違っている部分ですね。