みんなの機動戦士ガンダム完全版

http://www.animax.co.jp/feature/index.php?program=NN10000795

元旦に放送されたモノの完全版のようです。元旦の一挙放送は観られなかったので、今回が初見です。

これは凄く良い番組でした！

徹底的に最初の『機動戦士ガンダム』にこだわった構成と、それが初放送されてブームを巻き起こした80年代初頭の息吹を喚起させるからです。声優さんたちの思い出話や、富野の相変わらずブリもですが、当時の社会現象を起こした状況に一時的にですがトリップさせてくれました。中でも樋口監督のインタビューがイチイチ面白かったのが印象的で、彼の友だちの固有名詞や本屋さんの名前までだしてくる局地的なエピソードの羅列は、俯瞰的な状況の説明よりもよっぽど個々の思い出を刺激します。やっぱり記憶や思い出はディティールの積み重ねでしか再現できない事を痛感しました。どんなに記録を積み重ねても、その時のガンプラの接着剤やうすめ液の臭いには絶対にかなわないわけで。

あぐらかいて、ランナーからパーツを爪切りで切って、ピンセットで挟んで、1/144ガンダムの顔面の目を慎重に色づけしていた時にトリップしてましたもん（思い出すというレベルじゃなく）。

選曲のセンスも素晴らしくて、♪宇宙よ　とかそれだけで泣きそうでしたよ。

ラストも井上大輔さん自身の唄う♪めぐりあい　だし。

ア・バオア・クーでのシャアとアムロのラストバトルに流れるシーンはとにかく凄いです。いままで散々戦闘的な音楽で盛り上げておいて、突然あそこで♪めぐりあい　が流れる。燃えながら感動させると言う神業。5分24秒から。「…か、かあさぁあん…」という切ない学徒動員兵士の断末魔からかかるんですよねえ。普通のセンスじゃない。