男たち、野獣の輝き

旧映画ブログです。

Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

『アウトレイジ・ビヨンド』★★★

前作の『アウトレイジ』が、ヤクザの世界を「サラリーマン川柳」のように描くというある種のコメディになっていたのに驚いたので、今回の「たけし初の続編」を期待して観に行きました。

前作の石橋蓮司國村隼扮する「きょうでぇ」のような突出した「だめだこりゃ」感がなくなっていたのは残念でしたが、サラリーマン悲哀感は前作よりもスケールアップしており、たいへん楽しんで見終わりました。

蓮司&隼コンビに代わって参入してきたのが関西ヤクザの西田敏行塩見三省。この二人が本編中殆ど同じ部屋でふんぞり返ってドスを効かせまくるのが最高に楽しかった。たけしの援軍がチョロ一人というヒヤヒヤものの状況なのに、無論遠慮なしに脅し文句をまくし立てる二人が抜群。それを受けて遂にたけしがキレる展開のカタルシスが異常。ヤクザ映画の常として、やたらと口ずさみたくなるフレーズが連発するという意味では、これほど正統派のヤクザ映画もないんではないでしょうか。

前作でもその小物&コウモリぶりが完璧だった小日向文世が、さらにグレードアップした「どうしようもない」ブリを全開にしており、それを踏まえたラストの切れ味するどい処理はクールそのもの。

ギャグが少なめになっているとはいえ、たけしの「お腹」絡みのギャグでは場内大受け。

基本的にたけしは10年に一本ぐらいの割合で興行成績の残せる作品を作るんですが、今回の二部作は正統的な娯楽作品に仕上がっているという意味では、北野武映画が新たなステージに上がっていることを感じさせます。


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「痛い」描写が多いものの、基本的にコメディとして楽しむのが正しい鑑賞法。