『ハンガー・ゲーム』★★
緊張感の欠如
全米で4億ドルを稼いだ大ヒット作。
個人的にクロエ・グレース・モレッツがキャスティング候補だったり、読者からの要望も強かったという頃から注目していました。まあ、キャスティングはジェニファー・ローレンスが抜擢されたんですけどね。
ジェニファー・ローレンスもX-MENファースト・ジェネレーションで大変魅力的だったこともあり、そこはOK。今回もお馴染みの健康的なぷくぷくとして丸顔が妙に魅力的でした。そして、評価の高い演技もバッチリ。
ただし、
良かったのはジェニファー・ローレンスぐらい。
監督と脚色も担当しているのは贔屓にしているゲーリー・ロスなんですが、彼のそれまでのフィルモグラフィからしても、こういうアクション映画には不向きであると判断せざるを得ない。
それぐらいまるっきりこれっぽちも面白くありませんでした。
日本だと山田悠介とかが書くような「ティーンエイジャーに受ける残酷で不条理な設定」かと思ったのですが、実際にはその匙加減が非常に下手くそ。選ばれた24人の男女が殺しあう。まあ、ありきたりといえばありきたりのプロットですよ。なのに、そこには絶対必要な緊張感が見事に欠落しているんです。これは致命的。
それならアクションシーンが燃えるのか?
それも答えはノー。
リアリティラインが希薄なあまりにも高度な科学技術や医療技術、とってつけたようなロマンス、殺しあう子供たちは予想の範囲内の行動しかしない上に薄っぺらい稚拙な残虐性しかない。そもそも登場人物が全員頭が大してよろしくないので、観ていてかなりしょんぼりしてしまう。
頼むから「傷が一晩で治る程の薬は大事に取っておけ!」と。
ほんと、この手の作品の原点であり金字塔であるスティーブン・キングの二作とは月と冥王星ぐらいの距離があります。
ガッカリです。