男たち、野獣の輝き

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Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

シネスイチ板橋プログラム22『ピラニア』(リメイク版)★★


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何やってんだイーライ・ロス

WOWOWで放送したのでやっと観ました。

監督のアレクサンドル・アジャは『ヒルズ・ハブ・アイズ』が全然合わなかったので、今回もそれほど期待せずに観ていました。事前のイメージだと、ただただゲスな若者乱痴気騒ぎとスプラッターに終始する内容なのかと思っていたのですが、意外に前半部分は正攻法なサスペンスタッチで面白かったです。もちろん後半はイメージ通りでしたが。


クレジットが出るよりも先に食われてしまうリチャード・ドレイファス。服装を見ても分かるように、『ジョーズ』のマット・フーパーそのもの。あの歌もサービス精神満点に口ずさんでくれます。


オリジナルの『ピラニア』はビスタサイズだったのですが、こちらは生意気にもシネスコサイズ。しかしWOWOWの放送は字幕が半分フレームの外に出てしまうので、仕方なく16:9モードにて再生。


変人的な学者というセルフパロディ的な役割を余裕満点で演じているクリストファー・ロイド。こちらもほとんどゲスト扱いですが。そういえばこのリメイク版『ピラニア』は吹替がやたらと豪華だったのを思い出しました。このロイドも当然のように穂積隆信がアテているようです。


スタンド・バイ・ミー』のデブこと、ジェリー・オコネルがぶっちぎりに吹っ切れたバカなポルノ監督を快演。この映画のイメージを決定づけるかのように言動のすべてがゲスw


そして、この映画一番の儲け役で美味しいところを全部持っていくのが、イーライ・ロス。『ジョーズ』のメイキングでソダバーグを「ふう、仲間だ」呼ばわりしていたイーライ。間違ってもソダバーグにはこんな真似はできないだろうというゲストぶりに笑いが止まりませんでした。まあ、どうせ『ピラニア』も大好きなんでしょうから、出演できて本望だとは思いますが。

「透け透けTシャツショー」というめまいを起こしそうなショーの司会役。すべてのセリフが完全に低能という素晴らしさ。


散々周りで若者がピラニアの餌食になる中、イーライだけは「そんな美味しいことはさせられない」とばかりに、ひとりファイナル・デスティネーション状態でぶっ潰れる。


あくまでも徹底的にしょーもない作りになっており、ジョー・ダンテジョン・セイルズのオリジナル『ピラニア』にあるような「真面目」な面白さは皆無。ただ、鼻からそういう意識はなかったとばかりに吹っ切れた、「下ネタ」&「スプラッター」への力の入れようはある意味正しかったのかもしれません。クライマックスで延々と続く残虐ショーは現在のスペシャル・イフェクトの技術をみせつけるようなグチャグチャぶりに呆れるやら笑うやら。


でも、やっぱりアレクサンドル・アジャ監督とは根本的に肌が合わないなと再確認しました。



どえらいプレミアになっていますが、テレビ吹替が素晴らしいので、ぜひ再販するかブルーレイを販売して吹替を収録してください。