男たち、野獣の輝き

旧映画ブログです。

Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

ドン・シーゲル監督作品『Invasion of the Body Snatchers』をアメリカ版Blu-rayで鑑賞しました。


Invasion of the Body Snatchers [Blu-ray]

B007Y1NPSM
Olive Films 2012-07-17
Sales Rank : 2092

See details at Amazon
by G-Tools

正式なものでなければどれぐらいの数になるか分からないほどリメイクされているジャック・フィニィの小説『盗まれた街』ですが、その最初の映画化が今回の『Invasion of the Body Snatchers』です。邦題は『ボディ・スナッチャー/恐怖の街』

盗まれた街 (ハヤカワ文庫SF フ 2-2)


この作品はスタンダード撮影の映像に上下マスクをして上映する「スーパースコープ」という企画で製作されている作品です。なので上映用アスペクトシネスコとビスタの中間ぐらいの「1:2」

今まで日本ではこのサイズでの発売は最初のモノクロ版LDだけだったようで、僕は残念ながら観たことがありませんでした。子供の頃に何度も観ていたのはモノクロのビデオ版だったのですが、これがやっかいなことにこの上下マスクの上映マスターをさらに左右トリミングしているスタンダードサイズでの収録だったのです。

一時期アメリカのクライテリオンから発売されていたノートリミングLDを購入しようか迷っていたのですが、結局手を出さないままでした。

日本でDVDが発売された時もカラー着色版のトリミングサイズでがっかり。


ボディ・スナッチャー/恐怖の街 [DVD]

B00005OLQT
カルチュア・パブリッシャーズ 2001-10-17
売り上げランキング : 126888

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


今回アメリカで遂にBlu-rayが発売され、勿論モノクロ&スーパースコープ版での収録でしたので日本版DVDとちょっと比較してみました。

冒頭の病室シーン。右に立っているFBI捜査官がちゃんと画面に入っている。トリミング版ではケヴィン・マッカーシーの顔のみ。当たり前だけど、日本版DVDの劣悪な画質が比較するとよりわかりやすい。逆に言うとこんな綺麗な『ボディ・スナッチャー』は観たこともないわけですが。『ピラニア』を観た直後だと、ちゃんと正統派二枚目俳優であることが分かる。


迎えに来た看護婦を茶化すマッカーシー。自動車などの横に広い空間ではやはりトリミング版での窮屈さがよく分かる。オリジナルアスペクトだと左右の余裕がストレスレス。


超有名な、複製が目を覚ますカット。トリミング版では手前の複製と奥の夫人がパンフォーカスで強調されているので演出意図としては問題なし。ただ、ノートリミング版での左右の情報量がフィルムノワールらしい本作のビジュアルクオリティを明確にしている。全編影が効果的に使われた映像が美しい。


主人公とヒロインが病院の窓から覗く広場のカット。ロータリー部分の構図がトリミングだと台無しになってしまっている。人気のない場所に三方向からワラワラと人が出てくる映像の恐怖は素晴らしい。


勿論トリミング版は論外としても、上下マスクの外れた撮影サイズも観たいもんです。