スティーヴン・キング読破計画第三弾『ハイスクール・パニック』
キングの実質的な処女小説
という先入観に惑わされたわけでもないのだけど、若きキングの(高校生の時だそうだ)言ってみればリアルタイムの心の叫びが見え隠れしてちょっとくすぐったく感じてしまう。もちろん出版されるに際して改稿しているわけだし(『ジョーズ』が何度も話題にのぼるのも公開直後っぽくてよい)、当時から「日常の崩壊」に対する並々ならぬ手腕は垣間見れる。
ただ、やはり、冒頭数ページの怒涛のような勢いがみるみる失速していく感じはいただけない。ティーンエイジャーたちの青臭い告白劇場に入り込めない妬みもあるかもしれませんが。
主人公チャーリーがおやじの銃を使って教師を射殺、そのまま教室に篭城するが……
プロットは相変わらず一行モノで抜群だが、そのプロットから期待されるような展開を素直に書かないあたりもキングらしいといえばらしい。
言ってみれば新進の小劇団が書いた演劇の戯曲のような雰囲気であって、そういうのが書きたかった気持ちも痛いほどよく分かる。
まあ、要するに具体的にハッキリと抽象なしで断言すると
「あんまり面白くない」
『キャリー』は二晩で読んだ。『クージョ』は三日で読んだ。
この作品は上の二作より短い300ページだけど、なんと一週間近くかかった。もちろん他の用事があったり、IMAXに夢中になっていたり、『ジョーズ』のブルーレイ発売に浮かれていたりしていたにせよ、あまり僕の心を引きつけなかったようです。
次は『ファイアスターター』を読みます。こちらは評判が鉄板なので楽しみ。運のいいことに『炎の少女チャーリー』は子供の頃観たのでほとんど覚えていません!
しかし、これも品切れ状態とは……