男たち、野獣の輝き

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Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』★★★


ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い Blu-ray & DVDセット(初回限定生産)
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想像していたものとは違う、青春映画の傑作

予告などを観て、トリッキーな構造を用いた今時のコメディのように思っていたのですが、実は「二日酔いで記憶のなくなった一夜」を登場人物と同じ情報を提示されながら展開される極めて成功法な作風でした。構成上極めて良質なのは、回想シーンが一切入らないこと。これによって観客は登場人物3人と一緒に記憶をたどる不可思議な過程を楽しむことができる。そしててんやわんやの事態が次々と起こるのですが、ここらあたりのムードが実に「あったかい」。これがかなり意外だったところで、「ひろいもの」だったところです。やたらと評価の高かったのも頷ける。

要するに「記憶のなくなった一夜」と言うのは観客をつなぎとめるフックとしてのみ機能しており、実際には3人+1人の体験するラスベガス珍道中モノという体裁をもった「青春映画」になっている。そこがこの映画の「あったかい」後味を生み出しているのではないでしょうか。

一番近いと感じた作品は

K・コスナーの隠れた傑作。
青春映画の隠れた傑作。
ドラマ:5961位 (2010.10.15)
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です。構造も非常に近いものがありますし。


しかし、クライマックスの怒涛のような展開と、やはりしっとりとした終盤の作り方にドタバタコメディとは一味違う味わいがある。
そして、ラスト。あそこの”謎が一気に氷解して、それによって「結局それかよおお」という雰囲気”がまた「あったかい」。これも一つの「一緒に疑似旅行」と言っていいボク好みの感情移入を味わえる作品でした。