男たち、野獣の輝き

旧映画ブログです。

Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

賭博破戒録カイジ

男同士の友情が熱い!!

カイジ』シリーズ、特にシリーズ二作目であるこの『賭博破戒録カイジ』は、前作に漂っていた「陰鬱」な雰囲気が少なくなり、とにかく《痛快》としかいいようのない快作になっている。それはどうしてかというと、「裏切り」がないかからです。カイジ・シリーズの中でも突出して『破戒録』が大好きな理由はまさにそこにあるといっても過言ではないでしょう。

しかも、後味が何よりも爽快!!!

全13巻を読み終えたときの満足感は半端じゃないです。


構造自体も、カイジが仲間と協力して強敵と一対一で戦って蹴散らすという「大王道」なのも大きい。パチンコ編に至っては、延々と続く「戦い」の二転三転四転ぶりが、並のバトル漫画ではとうてい太刀打ちできないすごさ。一手一手敵との戦いをクリアしていっても、次々と障害が立ちふさがっていく構成も抜群。それにしてもあの何重にも繰り返される緊張感の連鎖はすごい。あんなのよく考えついたなあと思うような仕掛けが目白押しなんですよね。

最後の最後のカタルシスが普通じゃないもの。読んでて必ずガッツポーズしてしまう。


「至福の雑用」とか「至福の傍観」とかのナイスすぎるフレーズも続出するし。


何より大好きなのは、金でしか絡まっていないハズの遠藤とカイジが、いよいよ切羽詰まった状態で行うトイレのミーティング。あそこで、負けたら二人して地下の地獄で死ぬまで暮らさなければならないことを確認するんですが、カイジが「約束する。給料日に必ずビールをおごる」って言うんですよね。あそこはホントに泣ける。


友情と信頼で貫かれて、それを(読者も含めて)裏切らない筋金の入ったストーリーは、間違いなく傑作。


ギャンブル漫画だと思って敬遠している人たちは、とにかくだまされたと思って読んでほしい。今や死滅していると言っていい気合いの入った少年漫画の傑作なんですから。