男たち、野獣の輝き

旧映画ブログです。

Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

『007ドクターノオ』『007ロシアより愛をこめて』

 

WOWOWの目玉企画である007全22作一挙放送が始まりました。

ブルーレイは未見なのですが、デジタルリマスター版のHDは強烈なクオリティです。これならブルーレイを買ってみてもいいですね。まあ、この放送で一気にライブラリーをそろえるってのも手ですが。

『ドクターノオ』は子供のころあんまり好きではなかったのですが、観直せば観直すほど味があって楽しい。一番嫌いだったスクリーンプロセスによるカーチェイスも、必死にがんばっているコネリーの芝居や、相手の車ががけから落ちたときに野次馬に言う「死ぬほど急いでいたんだろうよ」という気の利いた台詞など、実に楽しい。

007といえば「アクション映画」の代名詞のように言われ、事実製作時最先端のスタント・パフォーマンスで楽しませてくれますが、やっぱりボンドの軽妙洒脱なキャラクターを楽しむ映画だなと思います。少なくとも初期は。

あと、サイレンサーによる殺人シーンのドライさは、今の時代のほうがズドっと心臓に来る残酷さがありますね。

ちなみに、娯楽映画の絶対条件である「ダクト」が唯一登場する007でもあります。


ロシアより愛をこめて』はぼくが初めて日本版の字幕ビデオを借りた映画でもあります。ちなみにレンタル料は3500円。入会金は1万円です。ははは。

字幕の入った映画をビデオで観るのがすごく衝撃で、輸入版や吹き替え版ばかりを観ていた時代に、家でも字幕入りの映画が見られる違和感はなかなか素晴らしいものがありました。

閑話休題

『ドクターノオ』から続けてみると、明らかに前作の成功によってスタッフ全体に余裕と気合が感じられます。テレンス・ヤングの演出も冴え渡っています。

しかし、この映画を傑作にしている功労者は編集とアクションシーン監督を務めているピーター・ハントと、ジョン・バリーの音楽でしょう。

有名すぎるオリエント急行内でのボンドとグラントの戦いが後のアクション映画に与えた影響はあまりにも大きいですし、モンティー・ノーマンの有名なボンドのテーマに負けてなるものかと凄まじく燃えるサントラを作ったジョン・バリーもすごい。


でも、一番笑ったのはやっぱりボンドのテーマの使い方。

二本とも、ボンドがホテルにチェックインして部屋のチェックをするシーンで延々かかるんですよね。画はとにかく地味なわけですよ。躍動感のかけらも無く、淡々とボンドが部屋を見て回って、盗聴器とかチェックして。そこにガンガンのボンドの例のテーマが流れ続ける。あのシュールさは何ともいえない面白さに満ちています。わざとやってるのだとしたらテレンス・ヤングたいしたもんです。


それにしてもジョン・バリーのサントラはやばいです。当然ですけどこの映画が出来た時点ではシリーズというよりも、続編なわけじゃないですか。ボンドのテーマも大ヒットしているとはいえ、ジョン・バリーが意地になっているようにオリジナルな燃え音楽を連発しているのがすごい。

このオープニングやばすぎる!! イントロの燃え方が半端じゃないです。