『グリーン・カード』を奥さんと観る
ジェラール・ドバルデュがだんだんいい男に見えてくる不思議
先日家の奥さんが
「グリーン・カード観てる? あれ面白いよ」
と言ってきました。
公開当時友人と観に行って面白かったとのこと。
ピーター・ウィアー監督が脚本も書いてプロデューサーもしているので、良く言えば洗練されており、悪く言えば小綺麗にまとまっている作品。
”グリーン・カード”とはアメリカの永住権で、フランス人のドバルデューがアンディ・マクダウェル演じる女性と形だけの結婚をしてそれを得るところから始まります。じゃあ、アンディ・マクダウェルは何のメリットがあるかというと、格式ある(近所の婆さんや管理人がウルサイ)アパートの居住に関する面接で「既婚」が有利になるというわけ。「それだけのために?」と思ったのですが、そのペントハウスには温室が備わっており”グリーン・ルーム”で植物を育てたりすることが出来る。”グリーン・ゲリラ”と言う環境活動にも参加しているアンディ・マクダウェルはそれが目的。
そして、それが家の奥さんにしてみれば「あれなら偽装結婚も辞さず」というぐらい魅力的なのです。
ただし、もちろんお話はこれでは転がりません。アンディのもとに移民局から査察が入り、ドバルデューをみつけて仮面夫婦の特訓を始めることに。
ここで、古き良きハリウッドのロマンチック・コメディの体裁は整い、審査までの二日間でふたりが「本当の愛」に目覚めるまでが描かれるんですね。
時には惹かれ時には喧嘩するという王道パターンがコンパクトにまとめられて楽しい。
面白いのは、ジェラール・ドバルデュが最初はまったくいいところのない駄目なフランス人にしか見えないのに、アンディ・マクダウェルが惹かれ始めると、それに呼応するように男前になってくるんですよ。それも目だけの力で。あれはなかなか凄いなと思いました。
そして、普通のハリウッド・スタイルだと元気なヒロインだったりしそうなもんですが、アンディ・マクダウェルはどちらかというと事なかれ主義でオドオドタイプ。これはなかなか琴線に触れました。彼女自身も知性を感じさせるユニークな顔立ちをしているのではまり役でした。
いつも一方的にボクの薦める映画に付き合ってもらっているのですが、奥さんの薦める映画も観ていこうと思います。まるっきり趣味がかみあわないので。ははは。あれ? これもハリウッドのラブコメ王道カップルって感じですかね?
【関連商品】
涼宮ハルヒの『エンドレスエイト』と同じモチーフですが、こちらはループを逆手にとって人間の希望をダイレクトに感じさせてくれる『名作』。アンディ・マクダウェルがこちらでも知的なヒロインを好演。