男たち、野獣の輝き

旧映画ブログです。

Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

日本一の若大将

日本映画専門チャンネルにて

今度は青大将まで面倒見るハメに

日本映画専門チャンネルで放送されている若大将HDシリーズも三作目。

もともと三部作の完結編というつもりで作成されたそうで、終盤でも就職活動などが描かれたりする。学ラン着て面接を受けに行く大学生ってのも実に時代を感じさせて味がある。青大将のお父さんを演じているのが加山雄三の実父である上原謙だったりするパラドキシカルさも微笑ましい。しかも面接でその親父を(本人とは知らずに)こっぴどく批判するのも笑えます。実際に加山雄三自身が上原謙の事を「大根役者なんだよなあ」と、勿論罪の意識は欠片もなく言い切るぐらいですから、ここらあたりも裏事情を知っていると笑える場面です。

今回のスポーツはマラソン。前二作を踏まえてすっかりフォーマットが確立している上に、田中邦衛扮する青大将のキャラクターもしっかりと固まっているのが楽しい。江口と若大将の妹照子とのロマンスを組み立てるためとはいえ、青大将をマネージャーに入れ込んで散々トラブルを生み出すのも中々楽しい。ホントに青大将が使えないやつだから見ていて呆れるけどね。

澄ちゃん短絡的なところは相変わらずですが、青大将を良いように使うといったビッチぶりは少し影を潜めているのがちょっと寂しい。今回はスポーツショップの店員で、金のことで散々若大将を振り回す。青大将が踏み倒したヨット代の半分(200万円!!)を若大将に(暗に)押しつけるあたりの底意地の悪さは必見。もちろん「ヨワいなあ」の一言で安請け合いする若大将も若大将ですが、それをまた安請け合いして勝手にお店の預金からくすねるおばあちゃんも相当のワル。間でてんやわんやの親父久太郎の不運ぶりが最高に面白い。画鋲まで踏みつける意味不明の不運ブリが爆笑(関係ねえだろう)。

合宿シーンも箱根を使って楽しく作られており、マラソンに絞った構成のために部活映画としても楽しめるのがポイント。ヨットの番をするためにみんなでジャンケンするシーンでは、最後に青大将がずるをするのも笑って許して留守番を引き受ける若大将が実にナイスガイ。

また、青島幸男が作詞した主題歌が全然加山雄三のテイストに合っていないのも実に初期作品っぽくていいんです。詞にしたって明らかに本編観ずにイメージと設定だけで書いているのがアリアリで笑えます。まあ、加山雄三の自作が使われ始めると俄然若大将さが加熱するのでこれからも楽しみです。