男たち、野獣の輝き

旧映画ブログです。

Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破

<ネタバレ>



藤子・F・不二雄とのからみ


いやあ、遂に観てきました。『破』。

『序』から1年10ヶ月。長かった長かった。

”カラー”のマークに新マンの音楽が入ってきたあたりから、「お、やっぱり今回は二部作の真ん中だからライトなタッチも交えていくのね」と思った通り、アバンタイトルに登場した新キャラのマリからして、かなりの「お調子者」。相変わらずシンジの辛気くさい墓参りシーンを交えつつも、いきなり始まる二号機の「自由落下バトル」からしてノリノリの明るいタッチ。新しい使徒のデザインも「なんだ、そりゃ?」と言う、いかすセンス爆発で掴みはオッケー。何だかんだいってもアスカが登場して宮村優子が声をアテると、あの「明るいエヴァ」ムードが充満するのが心地よい。
ATフィールドに突き刺したボウガンの矢を蹴りでさらに突き刺していくっていうあたりは実に決め決めのカッコヨサでした。

『序』の時から分かっていましたが、明らかに庵野秀明監督の現在が思いっきり反映されており、今回の『破』もそういう意味では、実に「健全」なエンターテインメントに昇華されていて激感動してしまいました。

まず、アスカのキャラがテレビ版のような「病んだ」感じではなくなり、純粋なツンデレキャラに変貌。料理に絡めた中盤の幸せシークエンスでも微笑ましすぎる行動のてんこ盛り。学園生活編ではキチンとコメディ・リリーフとしての役割を果たしつつ、ツンツンしたキャラを作っているけど、ちゃんと理性的に判断してエリートキャラを実践しているのが好感度抜群。テレビ版では前面に出すぎたキャラは、綾波の重要性が取り戻されたのとバランスをとるように少し引っ込んだ感じで、このバランスは大変良かったと思います。勿論その後に控える抜群の変更ポイントへの布石としてもベスト。そもそも、加持さんとまったく絡みもしないってのはいいんじゃないでしょうか。

今回から登場した加持さんも、口説き文句がエスカレートして過剰に面白くなっていましたし、シンジくんにまで迫る絶倫ぶりを発揮して大笑い。ただし、「君にしかできない。君にならできること」を、ハッキリ「葛城を守ってやってくれ」と明言しているのは感動しました。本当は愛してるんだよなあ加持さん。

一番感動したのは、綾波の変化でしょうか。テレビ版の綾波は個人的に全然興味を惹かれなかったのですが、シンジに対して好意を抱いてそれを行動に表していくあたりは胸にグググググググっと来ましたよ。さすが、初代長門、負けてはいられないという矜恃を感じました。料理をしようとして包丁がギラリと光る場面は笑えましたし、指がばんそうこうだらけになってるのも、アスカとのエレベーターシーンで効果的でした。あのエレベーターシーンもテレビでは異様に長い間を作ってギスギスした雰囲気を作っていましたが、今回はサラっとした間で本編随一の名場面になっていました。

やっぱり「ぽかぽか」は最高です。

綾波がちゃんとヒロインとして機能しているだけでも、テレビ版とはまったく違っていると考えて良いんじゃないでしょうか。

その極めつけがラストの「男の戦い」シークエンスで大感動のクライマックスを生むんですよね。


テレビではトウジが乗ることになる三号機。新劇場版ではなんとアスカが志願してテストパイロットになります。しかも、綾波の気持ちを知ったアスカが自ら気を利かして二人の時間を作るために。こうなってくると、三号機の顛末を知っているだけに、異様な緊張感が全編に漂い始めます。

当たり前のように、前半部分のノホホンさが、一気に反動となって緊張感を倍増させるんですね。

ダミープラグの使用によって、初号機の暴走モードをいきなり見せるシークエンスですが、ここで再び大きな変更点が。BGMが何と「今日の日はさようなら」に変わっているんですね。

こんなに良い歌は無いんじゃないかと思うほど、超有名な合唱曲(オリジナルは森山良子の歌)。これが強烈なバイオレンスシーンに流れるだけで、「中にアスカがいるのに!」という恐ろしいほどの悲しさが伝わってきます。そして、ここでこれを流すことによって、クライマックスで流れる「翼をください」へのブリッジを果たしている、絶妙の効果がうまれています。

そして、『男の戦い』


「やってくれたらいいなあ」

とは思っていたのですが、庵野秀明はやってくれましたよ。散々じらしておいて、いよいよ初号機が暴走する(この作品では少し違いますが)場面。テレビ版でもっとも盛り上がるアレです。あそこでかかる♪THE BEAST ? が遂に盛大に鳴り響くんですね。テレビではその前からクライマックスでは必ずかかって条件反射のように盛り上がる曲ですが、映画となると二度も三度も使えない。そうなったら、このタイミングしかないだろう。と。やっぱりあそこは燃える。しかも、今回はテレビ版と違って、シンジが能動的に暴走するんですよ。


綾波を助けるために!!!


これで燃えなきゃウソですよ。いや、燃えると言うよりも、感動しました。綾波の心境の変化を描いているだけに、ここでシンジが諦めきって体育座りしている綾波に手を伸ばし、綾波もそれに応えて手を伸ばすシーンは号泣ですよ。

「こい!」

ってね。

また、もう何が何だか分からない存在になっている初号機のシンジ君に向かって、ミサトさんが大きな声で応援するのもいいですよねえ。クライマックスってのはこうでなくちゃ。

・・・

新キャラのマリは最初「なんだかなあ」と思っていたのですが、貞本のキャラクターデザインも相まって何だか凄く気になるキャラでした。ボインで眼鏡だし。しかし、この時代に往年のやっさん芸「めがね、めがね」が観られるとは思いませんでした。アレは大爆笑。

大爆笑と言えば、『序』のシンジに続いて、アスカのヌード・シーンのサービスも絶妙でしたね。まさかあそこでストローとは!!


と言うわけで、恒例の次回予告で、またまたビックリ。

「急」「?」と表記されていた二部作ですが、なんとどっちのもかけているのか

『Q』!!

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』っすよ。突然アルファベット! 面白過ぎますよ。

そして、アイパッチつけて復活するアスカね。今回のアスカのキャラなら復活大歓迎ですよ。大ピンチに是非駆けつけていただきたい。

しかし、『オバケのQ太郎』の復刊を祝うかのごときタイトル表記。これにニヤニヤせずにはおれません。


そして、そうなったからには、初号機で一緒にスープになっているであろうシンジと綾波にはぜひこうなって欲しい!


↑なんという幸せな合体!


ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q



もちろん明日も観に行くぜ!!


追記:

そういえば、第三新東京市が朝日を浴びるシーンで、『太陽を盗んだ男』のサントラがかかったように思ったんですが、あれそのまんまなのかなあ。あれは良い曲だよ。