男たち、野獣の輝き

旧映画ブログです。

Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

涼宮ハルヒの憤慨 (角川スニーカー文庫)

涼宮ハルヒの憤慨 (角川スニーカー文庫)

涼宮ハルヒの憤慨 (角川スニーカー文庫)

これを私の名前としよう。

編集長★一直線!

今回は文芸部に会誌を作れと命令されるお話。『溜息』で映画を製作したパターンの文芸版。だが、『溜息』の本編が別途『朝比奈ミクルの冒険 Episode 00』として作品化されているのとは違って、今回は本編内に各々の作品が挿入される作り。小説ならではの構成で、フォントや挿絵や組を変えてそれぞれが楽しめる趣向。
みくるの絵本もいかにもな感じで大笑いでしたが、やはり問題は長門の書いた超短編三部作。「幻想ホラー」を書けと言われているのに、結局自分の心象風景を描写したもの悲しい作品になっている。タイトルが『無題』ってのも単純だが実に良いです。
そして、キョンの書いた「恋愛小説」が一ひねりしてある。遂に散々噂されている「変わった女」について書かれるのかと思いきや……
なかなか興味深いお話で楽しめました。キョンの子どもに好かれるという設定も活きていますし。あれを読んで謎に勘づく古泉やハルヒも相当なもんだと思いましたけどね。注釈のところを読み返してやっと分かる始末ですよ→自分。

『分裂』もついついプロローグまで読んじゃったんですけど、長門が会誌を「宝物」のように扱っているという描写があって、またまたいじらしい。

ただ、個人的には新しく登場した生徒会長のキャラクターが喫煙している描写があってどん引きです。あれはいかん。
また、ステレオタイプなのはハルヒのイメージに合わせていると言う設定なので良いとしても、ここ何作かで登場するキャラクターは明らかに度が過ぎて非現実的です。非日常がテーマであるとはいっても、非現実なキャラクターはどうにもこの世界になじまないような気がするんですけどね。


ワンダリング・シャドウ

スニーカーで連載されたものとしては現在最後の作品になるようです。こう考えると二ヶ月に一回とはいえ定期的に読めている時代もあったのですね。

《幽霊》についての長門との問答がとにかく最高でしたね。

長門が披露するジョークは『孤島症候群』とは違って端的で最高にわかりやすいだけに爆笑でした。そこでその台詞を言うか。ただ、それをジョークで返すのは実にスマートだと思いますよ。何かが根本的に崩れそうですしね。


さあ、いよいよ現在最後の作品で、続きに当たる『驚愕』が2年経った現在でも発売予定がない、『分裂』を読み始めました。途中で終わるんだろうと思っても、あんな長いプロローグを読まされて、しかも先に書いた「変わった女」の伏線がいよいよ回収されるとなったら読む手がなかなか止まりません!