男たち、野獣の輝き

旧映画ブログです。

Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

涼宮ハルヒの陰謀 (角川スニーカー文庫)

涼宮ハルヒの陰謀 (角川スニーカー文庫)

涼宮ハルヒの陰謀 (角川スニーカー文庫)

陰謀の正体

一冊だけ分厚く、現在のところ最長の長編になる『陰謀』を読み終わりました。
表紙から分かるようにみくるがやっとメインに扱われるお話でした。8日未来からやってきたみくるが、現在のキョンと予定調和の出来事を一生懸命にこなすお話。未来から来たみくるがキョンにその日の出来事を思い出して話しているときに、同期するように電話が鳴ったりするアクロバティックな構成は相変わらずさすが。終盤にはいきなり世界観が拡がりをみせるのも驚きです。ストーリーとしても転換を迎えようとしている雰囲気ですね。個人的には登場人物や組織が増えていく展開はあんまり好きではないのですが、面白ければいいので気にはなります。

ただ、やっぱりいちばんグっときたのは長門がらみのエピソード。

自分で自分の能力に制御をかけて、どんどん人間味を増していくなかで、図書館にキョンと再び行くエピソードは胸にきますねえ。相変わらず長門の心象を直接描写せずに読者にゆだねる手法はたまりません。キョンのデリカシーの無さが辛い。

『消失』に続いて、全然からくりが明かされるまで『陰謀』の正体に気づかなかったのは驚きでした。キョンなみに鈍いのか?

でも、それだけにさわやかな読後感が味わえました。