涼宮ハルヒの消失 (角川スニーカー文庫)
- 作者: 谷川流,いとうのいぢ
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2004/07/01
- メディア: 文庫
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長門……
一気に一日で読んでしまいました。小説を一日で読み終えたのはポール・ギャリコの『ポセイドン』以来。
いやあ、コメント欄や周りからの評判で予想はしていたのですが、まさか”感動”するとは思わなかったです。
しかも、うすうす感づいてはいたのですが、
長門がたまらん!!
<以下ネタバレ>
改変後の長門。キョンが最後の望みと頼ったり、ただの無感情ではない普通の内向的な美少女になっていたり、それでも精一杯積極的に入部届を渡したり、改変してもちゃんと図書館での思い出を残しておいたり、何から何までいじらしい!!
こんなのずるいですよ。
作品の性質上ギャグが抑えられている所為もあって、長門を大好きなファンが書いたスピンオフのような錯覚まで覚えるほどでした。それぐらい作者の長門に対する思い入れ総決算のような内容は、実に哀切にあふれたモノで”感動”しましたよ。
相変わらず入れ子のような多重構造も傑作で、キョンが無意識に望んでいた願望充足にカウンターのようにぶつけられる別の現実が、またまた読者の読んでみたい別の物語世界に則しているようで唸らされます。ボクなんてキョンが自問自答するクライマックスで、「こっちもありじゃないのか!?」と思いましたもん。まあ、それぐらい改変後の長門がボクの好みだったって事なんですけどね。いや、元に戻った世界での、微妙すぎる変化も好きなんですけどね。「ありがとう」ってたまらん。
キョンが相変わらずポニーテール好きっていうこだわりもあったりして笑っちゃいましたが、『夏への扉』か『バック・トゥ・ザ・フューチャー2』かとばかりのタイムトラベルぶりも大変好みでした。『笹の葉ラプソディ』まで絡まってのザッピング感覚は盛り上がるなあ。
<ネタバレ終了>
ともあれ、これが今回の「改めて」放送されているアニメで新作として製作されるのであれば、これ以上ないぐらい嬉しいですね。劇場版で観たいと思うぐらいです。
楽しみだなああ!!
そういえば、アニメのエンディングでキョンがなんでトナカイの着ぐるみをかぶっているのか判明! アニメ細か過ぎるぜ。