刑事コロンボ #3構想の死角
やっぱりフィルムの恩恵は大きい
- 脚本:スティーブン・ボチコ
- 監督:スティーヴン・スピルバーグ
- 犯人:ジャック・キャシディ
NHK BShiで始まったコロンボ全話HD放送(もちろん二カ国語放送の吹き替え付き!)。4:3のアスペクトをちゃんとHD素材で放送しており、品質は大変良かったと思います。アメリカはテレビ・ムービーでも35ミリを使っているはずなので、素材からして劇場映画と同等のクオリティを維持していると思います。
スピルバーグの演出した話としても知られていますが、若きスピルバーグが全力で(たぶん大して好きでもない素材であろうミステリーを)「おれこんなに色々と映像にこだわっているんですよ!」という意識がムンムン伝わってきて半笑い必至です。
ただ、やはり「さすがだなあ」というカットが多々あるのも恐ろしいところですが。広角レンズ大好きだった頃だけに、実相寺監督のような極端な構図で画面いっぱいに役者が不自然に入り込むカットなどが面白いです。
シナリオとしてはパイロット版を経ての実質第一話だからなのか、
「ええ! それでもうゲロっちゃうの?」
と言うカタルシスのなさが何とも。もっとコロンボらしい1ショットで決まる幕切れを期待していると当てが外れます。
スピルバーグ全然興味なかったんだろうなあ。
小池朝雄の吹き替えは相変わらず素晴らしくて、あのネチネチと「あと一つだけ」を繰り返すのを聴いているだけで笑えます。ただ、「カミさん」が「女房がね」になっていたのはちょっとびっくりでした。
別冊宝島 『刑事コロンボ完全捜査記録』 (別冊宝島 (1330))
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↑思わず発注しちゃいました。発売したときも気になっていたのですが、いざ放送が始まって久々に観始めると、ね。