男たち、野獣の輝き

旧映画ブログです。

Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

キサラギ スタンダード・エディション [DVD]

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すごい満足感だ。

今日は『ホット・ファズ』を観たりして大変気分がよかったので、もう一本楽しそうな映画を観たいと思って前々から気になっていたこちらをチョイス。これが大正解&大満足の結果になりました。

<ミステリーなので以下ネタバレは反転>

《『12人の優しい日本人 [DVD]』をはじめとする三谷幸喜初期作品の特色であるシチエーション・コメディとミステリーの融合》
これはボクの知る限りでは三谷作品以外にあまり成功例とか類似作がなかったように思うのですが、この作品ではその楽しさを存分に味わうことが出来ました。本当に驚くほど見事に謎が開示されていくクライマックスは食い入るように観てしまいました。
そして、舞台が原作ならではの、登場人物全員に見せ場と存在意義が与えられているのも見事でした。役者もそれぞれ的確でありながらミスディレクションに満ちたキャスティングであっと言う驚きの連続。

少なからず謎の開陳が観客に遅れをとる部分があったのですが、香川照之演じるキャラの正体がお父さんだった事が明らかになる部分は完全に虚を疲れて唖然となりました。

謎解きに至る前フリが恐ろしくタイトにまとめられているのも高ポイントで、この手のストーリーにおけるダレ場を凄いテンポとギャグで回転させているのが良いです。この部分に張られた布石が一番最後に小栗旬演じる主人公”家元”で回収されるのもかなりグっときました。

十二人の怒れる男 [DVD]』や先の『12人の優しい日本人 [DVD]』は”部外者”が登場しない事案について推論しあうのがキモですが、この作品は登場人物全員が”部内者”であることがキモかもしれませんね。一歩間違うとあまりにも都合よく関係者ばかりが集まっているような印象にもなるのですが、エンド・クレジットにいよいよ登場する”如月ミキ”本人のあまりのD級アイドルぶりは説得力抜群です。あれなら「他にも一人ぐらいはファンがいるかもしれませんよ」という台詞にも納得がいきます。ははは。
『アフタースクール』の時といい、やっぱりこういうしっかり練りこまれた脚本の作品は観ていて安心して楽しめますね。委ねられると言うのかな。いちいちチャンネルを合わせる必要が無いというか。

ホントに面白くてジーンとなれる作品でした。

追記:

ボクは雨の日に家にいるのが大好きなので、話が転換する時に外が雨になるのも演出効果とは別にたまらなく引き込まれました。雨の日に一室で会話劇っていうだけで何だかたまらない魅力を感じてしまうんですね。