振り返れば奴がいる DVD-BOX
- 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
- 発売日: 2008/07/25
- メディア: DVD
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「このエセヒューマニストが……」
三谷幸喜が初めて手がけた連続ドラマであり、『踊る大捜査線』以前は(個人的には今でも)織田裕二の代表作だった傑作が、待望のDVD-BOXリリースです!
SD画質での撮影である当時のテレビドラマに関しては、BD化で一枚か二枚にするぐらいが望ましいのですが、まだまだDVDが元気なうちにやっとリリースされたのは嬉しい限りです。7枚組みということなので、SPが収録されるとして本編が6枚。11話なので一枚2話ずつの1層と言うことでしょうか。明らかにDVDレンタルを見越したセコイ構成ですが、ここはグっとこらえて素直に喜びましょう。だいたいレンタルしたほうが確実にテレビ・シリーズの場合見る人には楽なはずです。
すっかり再放送もしなくなりましたし、CSでもあまり放送される機会がなくなったので、ぜひまだ才能がはちきれんばかりだった三谷幸喜のシナリオを味わって欲しいですね。
『古畑』や氏の最高傑作『王様のレストラン DVD-BOX La Belle Equipe』ではかなり自分の思い通りにできているようですが、この作品はエッセイでもたびたびボヤているように、途中でどんどん路線変更を強いられたそうです。結果、最初のほうこそコメディ色が残っているものの、途中からはグイグイ引きこまれるシリアス路線になっていきます。恐らく三谷幸喜の作品でこれほどシリアスなモードで書かれたものは無いので、氏の滅多に見られない側面が堪能できます。
織田裕二が完璧にハマって演じている(とても24歳とは思えない!)司馬先生の、迫力満点(過ぎて爆笑必至)な脅しブリと厭世観に震えていただきたいです。
各話で必ず爆発する司馬先生とライバル(?)石川先生の舌戦も見もので、正視に耐えないほど顔面を近づけた至近距離で互いの意見をぶつけ合う様は感動すら覚えます。
初期の三谷作品の縛りどおり、基本的に舞台は病院に限定、時間経過も日をまたがない。キャラクターの私生活は一切無し。しびれる!