男たち、野獣の輝き

旧映画ブログです。

Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

ヘアスプレー(2枚組) [Blu-ray]

ウォーケンとブーブークッション

面白いだろうとは思っていたのですが、これほどツボにくるとは思っていませんでした。

ミュージカルは元々大好きなんですが、これだけ全編明るくてポップで楽しい気分になる作品はなかなか無いですね。それでいてサラっと人種差別問題を中心にした様々な(太っているのも当然入るでしょう)差別に対するメッセージも盛り込まれていて、ストーリー自体も意外に先が読めなくて飽きる暇が無いです。

オリジナルからの伝統に則って、ヒロインのお母さんを特殊メイクで演じたジョン・トラヴォルタがハチャメチャに面白かったです。すべてにおいてすぐに流されてしまう”柔軟すぎる”性格が爆笑でした。隙あらばむしゃむしゃと何かを食べる辺りも素晴らしくて、トラヴォルタ本人もすぐ太ってしまう体質らしいので、ここら辺はやりやすかったんじゃないでしょうか。加えてクライマックスでトラヴォルタをキャスティングした真価が待ってましたと始まるシークエンスのカタルシスはかなりのものです。
しかも、その旦那がクリストファー・ウォーケンって、完全にキャスト勝ち。またウォーケンがなにやってもノリノリで(しかも常に真顔の分かってるブリ)、ミシェル・ファイファーに誘惑されるくだりは大爆笑でした。(光る蝶ネクタイ!)

太ったヒロインがいじめられているとか、甘いマスクのイケメンが性悪とかというような、逆の意味でのステレオタイプが全然出てこないのも斬新で、太ったヒロインは行動的で別にいじめられるわけでもなく、イケメンは気はちょっと弱いがやさしくていい奴。観ていてずっと気分がいいのです。
中でも出色なのは、思考能力ゼロのフラグが立ちっぱなしなのに、実は先進的な考え方の持ち主である”コーニー・コリンズ・ショー”の司会コーニー・コリンズのキャラ!
彼は最高でした。
番組のオープニングで女性陣に名前を紹介されながらカマしてくれる

「俺のこと!?!?」

丸出しのとぼけ面は必見で、壁紙にしたいぐらいです。お前の名前を冠にしてるんだから、てめえに決まってるだろうが!!

ああいう古きよき時代のアメリカ番組を絶妙に再現した感覚は本当に面白かったです。

歌も踊りもご機嫌で、本当に楽しい映画でした。


BDは日本初のDTS-MA7.1ch収録なんですが、いまだサラウンド環境が整っていない我が家では2chでのダウン・ミックス。まあ、どっちにしろ今のところPS3では5.1chにダウンミックスされてしまうんですけどね。
映像はカラフルな色調が色鮮やかに再現されていてかなり満足のいく仕上がりです。ちょっと輪郭がソフトかなという印象ですが、ミュージカルらしい明るい美術もディティール細かく再現されていました。
ミュージカル映画にしては珍しく日本語吹き替えも収録されており、トラヴォルタの声を山寺宏一がアテていてこれがまた絶妙に上手かったです。オリジナルでもトラヴォルタは特に声を変えたりせずそのままの声で、喋り方や仕草でキュートにしているんですが、山寺さんもそこら辺りをキチンと踏まえてアテていました。
歌の部分はオリジナルどおりなので、吹き替え部分はそれほど多くないのですが、どの吹き替えもイメージどおりで素晴らしかったです。

音声解説は監督とヒロインのミッキー・ブロンスキーが話しているのですが、終始楽しそうに話しているので面白かったです。結構細かい裏話なども聞けました。

ブルーレイにはもう一つ目玉と言うべきピクチャー・イン・ピクチャーの解説バージョンが楽しめます。こちらは最初のほうしか観ていないのですが、かなり情報量が満載で楽しそうです。今度じっくり腰をすえて見たいと思います。ちゃんと日本語字幕も収録されています。

本編ディスクに特典がたくさん収録されているのですが、特典ディスクがもう一枚付いており、こちらはジョン・ウォーターズのオリジナルからミュージカルへの流れを追ったドキュメントのようで楽しみです。