霧 - 男たち、野獣の輝き

フランク・ダラボンが「次に撮る」「次に撮る」といいつつ、いつまでも未練がましくオスカー狙い路線だったせいで後回しになってヤキモキしていた作品です。

原作がダラボンとしては３本目のスティーブン・キングの中篇。（スケルトン・クルー〈1〉骸骨乗組員 (扶桑社ミステリー)に収録。これには傑作短編『浮き台』も収録されていてグッド）

この『霧』がとにかく面白くて、クトルゥフとかをあまり知らなかった自分にとって、かなりそれ風の世界観が衝撃でした。加えて『ゾンビ』からキングがインスパイアされている、”ショッピング・モールに閉じ込められる”設定がやはり最高です。

予告編を観た限りでは、霧の表現やモールの描写などはイメージどおりなのですが、クリーチャーが出てくると何だかちゃちな印象。タコの触手は悪くないかもしれないですが、あのコウモリみたいなのがどうにも……
ラストカットの皆の視線がはるか頭上になっているのは期待させてくれます。