BROTHER [DVD]
WOWOWでたけしの監督作品を幾つか連続放送しています。今回はイギリスと合作してアメリカを舞台にした初の海外進出作品となるのでしょうか。笑ってしまうぐらい海外を意識したたけしの集大成ブリが面白いですが、初期からのファンからしてはかなり違和感というか無理やりな感じもして複雑です。そもそも交通事故にあって以降の作品は(『みんな〜やってるか』を除いて)意識的にちゃんと映画を構築しようとしているので、「たけしの映画」を期待すると若干違和感を覚えるのは仕方が無いのでしょうか。
個人的には初期の四作は「たけしの映画」、それ以降は「武監督の映画作品」と言う感じでしょうか。映画監督としてキチンとしようという感じが意識的に感じられます。その分そもそも備わっていない映画の基本的な文法みたいなものが欠落しているのが、皮肉なことに「たけしの映画」の残滓に感じられるとボクは思っています。バイオレンス描写も全く痛さを感じませんしね。