雨あがる
黒澤明が残した脚本を、当時助監督についていた小泉監督をはじめとした黒澤組が映画化した作品なのですが、公開された当時は黒澤明信者としては無意味な拒絶反応があって全然観る気がおきませんでした。色々と良い噂を聞いて観たいなと思ったいたのですが、ちょうどテレビ東京でHD放送をしていたので観ました。
オリジナルも短かったはずなので、ノーカット放送だと思うのですが、エンド・クレジットはテレビ局で処理しているようです。
黒澤組といっても、最後期の黒澤組なのであまりなじみが無い感じなのですが、単純に一本の映画として大変面白くて美しい映画なんじゃないでしょうか。意外といっては失礼なのですが、黒澤っぽさはあまり感じられません。元のシナリオを読んでないので何とも言えませんが、シナリオとしてもインナーボイスの使い方などに黒澤っぽさが無くて新鮮でした(効果の是非は措いておいて)。
主演の寺尾聡はホントに良くて、人が良すぎて相手に不条理なイライラを与えてしまうというキャラを絶妙に演じていました。また、一見弱そうなのに、いざとなった時の立ち居振る舞いが本当に達人っぽくて最高でした。御前試合での見切りの感じは本当にいいです。
山本周五郎の原作も読んでみたくなりました。
- 作者: 山本周五郎
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 1999/08
- メディア: 単行本
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