男たち、野獣の輝き

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Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

アイアン・ジャイアント

アイアン・ジャイアント スペシャル・エディション [DVD]

Mr.インクレディブル [DVD]」で一般的な知名度が少しあがったかもしれないブラッド・バード監督*1の劇場アニメデビュー作であり、日本での公開はファンの署名運動によって実現したと言う事でも記憶に残っています。

アメリカでの公開でもコケたこの作品ですが、観直してもなんでコケたのか分からないほどの傑作です。まるで満賀たちに送りつけられた手塚先生の描き損じの原稿のように*2

ディズニーやピクサーのアニメと違って全体的なトーンが暗い事と(実際に夜間のシーンが多い)、派手なアクションや派手なギャグがない事などが原因だと思いますが、それがこのアニメの他のハリウッド製アニメと違って素晴らしいところだと思います。

ブラッド・バードシネスコへのこだわりが最高で、この作品でもバキバキにシネスコサイズを使った構図や演出、アクション場面でのダイナミックなカメラ・ワークが堪能できます。

今は亡きマイケル・ケイメンの音楽も当時手抜きばかりだったとは思えないほど力が入っていて、前面に出ることはない地味な雰囲気の音楽ですが、映画の中ではキチンと上質の感動をサポートしています。

観直すとギャグも結構というかかなり面白いんですねコレが。リアクションがクールなギャグが多くて、結構好みです。

<ハイビジョンの見所>

NHKhiなので解像度は文句無いのですが、元々が派手な色使いじゃないので、全体的なトーンはやはり沈みがち。だからといって画質が悪いわけではなくて、フィルム・ライクな雰囲気が全体的に保たれていてハイビジョンの恩恵は絶大。

スクラップ工場のこまごまとした美術や、夜の森やジャイアントが生命の尊さを学ぶ自然の美しさもバッチリ再現されています。

*1:ただ、ピクサーは「ピクサー印」をブランドとして浸透させる宣伝方針のようなので、監督の名前はどの作品も一般的には知られていないと思います。というか、監督が違うと言うこともしられていないんじゃないでしょうか? 個人的には「トイ・ストーリー」を作ったジョン・ラセターが創作的には大黒柱だと思います。他の作品の監督はボクの中では2ランクほど下がります。

*2:手塚先生のことだから、描き損じだと言いつつ何度も描き直して連載本編より力を入れているような気もします。2人によく思われようと。はははは。