男たち、野獣の輝き

旧映画ブログです。

Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

バトルスター ギャラクティカ-サイロンの攻撃- [DVD]

無茶苦茶面白い!!


色々と評判がいいのでWOWOWでの放送を観たのですが、ミニ・シリーズのパイロット版として作成された前後編180分全編燃えっぱなしの凄まじさ。

別の恒星系で12の惑星からなる世界を形成している別の人類が、かつて自分達が作り出した人工知能からなるサイロンと交戦して40年後、再び進化したサイロンによる奇襲攻撃によって最新型のネットワークシステムを擁した軍と政府は瞬く間に壊滅。ネットワークシステムを利用していないギャラクティカは退役直後に交戦状態に突入して唯一生き残るが、武器弾薬は殆どなく絶体絶命。戻る場所をなくした民間艦船にも次々とサイロンの無差別攻撃が繰り返される中で、多くを生き残らせるために、数多くの犠牲と決断が繰り広げられる。

と言う強烈にツボを突きまくるハードな設定だけでも抜群に燃えるのですが、この作品の凄いところは一点集中の様に戦闘シーンの演出が恐ろしいほど燃えまくりな点です。

宇宙空間を徹底的に意識した三次元的な攻防戦とミサイル攻撃と戦闘機によるドッグ・ファイトが、ライティングときちんとしたカメラ・レンズを想定した極めて写実的な演出でこれでもかと展開するのです。

初めてアメリカのバトル・シーンの演出が日本のアニメに追いついて追い越したのを感じました。板野サーカスに代表される日本のアニメのドッグ・ファイトのようにカメラが縦横無尽に動き回るのではなく*1、カメラ位置をキチンと想定した動きでリアリティを生み出している点が画期的なところです。板野サーカスの演出はアニメの中ではカメラのあり得ない動きは観客の認識の死角(アニメだからありえるという了解事項)に置かれているので成立するのですが、CGをいくら駆使しても実写ではそれがうそ臭くなることは目に見えています。なので、このアプローチは非常に正しく、不安定なパンニングやズーミングなどによる手持ち感覚をCGで再現しているのがとにかく斬新でした。

加えてリチャード・ギブスの民俗音楽的なサントラが恐ろしいほどに緊迫感と興奮を生み出しています。戦争シーンで出来るだけ音楽を抑えている点も特筆モノ。

音楽でもそうでしたが、サウンド処理の点でも出来る限り宇宙の真空空間を意識したデザインが施されていて、ミサイル発射や爆発の際にカメラの位置によって殆ど音が聞こえないようになっているのが最高。カメラが被写体に寄っている場合には発射音や爆撃音が聞こえてくるのが素晴らしい。「機動戦士ガンダム0080ポケットの中の戦争」でやろうとしていた無音の宇宙戦闘がここに実現している。これであれだけ盛り上げられるのだから凄い効果です。

物語はプロローグに過ぎ無いので、とにかく続きが気になります!

お願いだからどこかで放送して欲しい!!!

*1:宮崎駿だけはアニメでもそれをやらずに写実的な演出を貫いているところが凄い。