男たち、野獣の輝き

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Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

スウィングガールズ スタンダード・エディション [DVD]★★1/2

スウィングガールズ スタンダード・エディション [DVD]

スウィングガールズ スタンダード・エディション [DVD]

劇場ではあっさりと見過ごして、やっとDVDで観ました。矢口監督の作品は「ひみつの花園 [DVD]」が大好きなのですが、実は他の作品はあんまり好みではありませんでした。独特のモラルの無さというか(ゲロとかどうでもいい所へのこだわりは嫌いじゃないんですが)、暴力的な部分とか、コメディとして楽しんでいる人間に水をかけるような雰囲気があるからです。

ただ、この作品は監督が得意とする女子が大量に出演する上に、田舎好きとしては舞台がドンピシャでした。監督が山形の田舎の夏の風景と冬の風景を背景にして映画を撮りたくなったという主旨のことを言っていたのですが、果たして田舎の風景を商店街やスーパーなども含めて魅力的に捉えていました。ただ、季節感はあまり出ていないのが残念でした。セミの声を入れれば夏になるなんて安直なんじゃないでしょうか?

普通の女子高生がひょんなことからジャズの魅力にとりつかれていくというプロットも、ひょんなことが実に矢口監督らしくて笑えましたが、魅力にとりつかれていくプロセスはまるっきり説得力が無く、大勢の女子高生が主要メンバーに再度合流するくだりは、その説得力の無さ加減が多分ギャグになっているほどです。(そんなバカなという)

ただ、主要女子高生、なかでも口下手な眼鏡の関口を演じた本仮屋ユイカはハマリ役というか純粋に可愛くて、それだけで随分と楽しんで観られるのですから役者の力は大きいんですねえ。

あと、無意味といえば土手を転がり落ちる自転車の少年が爆笑でした。ギャグ自体の無意味さとか、人形丸出しのギミックが矢口監督独自のギャグとして形成されていました。(ホントに全く意味が無いのが素晴らしい)
加えて、マツタケ狩りのくだりで、猪に襲われるあたりの誰かが一度はやってみたいスライス・ショットのパロディが炸裂して笑えました。あのピタっと止まった芝居は必見かも。(ホントに一瞬スチルかと錯覚するほど)