男たち、野獣の輝き

旧映画ブログです。

Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

スチームボーイ 通常版 [DVD]★★★

スチームボーイ 通常版 [DVD]

スチームボーイ 通常版 [DVD]

もう大友克洋が漫画家だったとか、アニメの監督だとかという情報は相当過去のものになっていると思います。「AKIRA」が1988年で、原作の最終巻が93年3月発売なので、第一線から離れて既に12年にもなる訳です。子供でいったら小学生に入学した子が大学入試とかいうレベルです。

第一この「スチーム・ボーイ」という企画がスタートしたのもかなり前だったように記憶しているので、本当に作ってるのか?というのが正直な話でした。

2003年の秋にいよいよ公開決定ときいて驚きましたが、再度1年延期と聞いた時は「やっぱり」と笑った記憶も。(特典で収録されている特報に哀しく「2003年秋公開!」と出るのが笑える)

それで去年の夏に「ハウル」がまさかの公開延期で、繰上げ公開という屈辱だかなんだかよく分からない夏公開になったわけですが(多分「いい加減にしろ」っていう事なのかも)、さすがに代打としては荷が重かったようで、ヒットしたというような記憶もなくひっそりと興行を終えていたようです。

劇場に行かなかった自分の中でも、相当熱が醒めていたようで(いや、正直に言うと最初から醒めていたと思います)、DVDも「あ、出てたんだ」という感じで借りてきました。

ボクは「AKIRA」を極めて上質のジュブナイルとして評価しているので、今回の冒険活劇としてのアプローチは非常に大友らしいと感じ、中身自体もそのアプローチに忠実に成らんとしている気概は感じました。

ただ、全体的に空回りしているというか、少年冒険活劇としての「熱」が感じられないのが残念でした。多分主人公が映画の冒頭から終わりまで同じところに居たのが原因のように感じました。旅立ちがどこかに用意して欲しかったです。

また、勝気なスカーレットはヒロインとしてはちょっと魅力が足りない気もします。言い換えると主人公が守るに足る説得力を観客に抱かせ切れていないと思います。