JFK
ボクも「オリバー・ストーンは好きになれないけど、JFKは大好き」という人間の人です。ハイビジョンで観ると、ロバート・リチャードソンのかっこよすぎる撮影が堪能できました。DVDもJFK コレクターズ・エディション 特別版 [DVD]では画質もスクィーズで片面二層式になり、かなり満足できるものでしたが、やはりハイビジョンのほうが頭一つ飛びぬけています。
<ハイビジョンの見所>
- 眼鏡のギラギラ
眼鏡に限らずロバート・リチャードソンお得意のトップライトによるギラギラが、様々な部分に施されているのが確認できました。ハイビジョンによって画面の情報量が飛躍的に増えたことにより、映像が直接視覚に訴える演出がより向上していると感じさせてくれます。特にハイライトなどのフィルムならではの効果は画質がよければよいほど効果的だと思います。
- ブローアップ処理
矛盾していますが、ブローアップ処理(8ミリフィルムなどを35ミリに拡大する処理)による粒子の荒れた画像でも、ハイビジョンの再現性の高さが非常に効果的だと感じました。また、この映画で縦横無尽に繰り広げられる、「再現フィルムを再現した演出(?)」での異様なハイカッティングでは、一瞬挿入されるブローアップ処理された映像やモノクロ処理された画像は、本当に3コマ程度の人間が認識できるギリギリの短さで挿入されるので、情報量が多いとそのとき脳に入ってくる処理にも違いがあるようです。劇場では画面の大きさが効果を増大させていましたが、ハイビジョン版ではそれとは違う効果があるようです。劇場での大画面では、観客にサブリミナル的な効果を与えるのみで、写っている情報そのものにはあまり意味が見出せなかったのですが、テレビサイズの画面だと写っている情報を処理しようとする余地が生まれるので、何が写っているかを認識しようとする脳の処理がサブリミナルとは違う効果を生んでいるようです。
- 裁判所
「評決」を観たときも思ったのですが、裁判所というのは非常に高画質に向いているオブジェクトで、今回も終盤1時間をもたせる舞台としてハイビジョンの画面を彩っていました。