男たち、野獣の輝き

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Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

イノセンス スタンダード版 [DVD]★★★

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まったく失礼な書き方なのですが、「思ったよりずっと楽しめた」。

押井守監督の映画はご多分に漏れず、実写作品は「トーキング・ヘッド」が好きなぐらいで他はダメ。でもアニメ作品はどれも大体好き。

というわけですが、「イノセンス」は鈴木敏夫宣伝部長のあまりにも見当違いな宣伝方針やなんやかやで、結局劇場にも行かずじまいでした。

ところが、ハードルをかなり下げて観始めたせいなのか*1、「思ったよりずっと楽しめた」。

押井守が自ら書いたシナリオは引用だらけで全く気に入らないのですが、キッチリと話に盛り上がりがあったことなどに意外に驚きました。まあ、そのあたりも「とりあえず盛り上げときました」というようなえっらそうな感じもぷんぷんにおうので素直には喜べなかったのですが、盛り上がらない映画よりよほどましです。

イノセンスとか言っておきながらストレートに「攻殻機動隊」の続編になっているのも好感でした。

川井憲次の音楽は前作に比べると焼き直しに終始している感じはして、盛り上がるテーマがなかったのが残念でしたが、映画全体のムードには貢献していてさすが古女房という感じでした。

そして、売りになっているCG映像なんですが、CG臭い映像は散見されるものの、「アヴァロン」で作ろうとしていた夢の中の風景のような映像はかなり見物で、押井守の映像センスには素直にグっときました。まあ、それにしては登場人物たちのセルタッチまんまなデザインや処理はわざと何だとは思うものの乖離している感じが強くて、馴染めませんでしたが。(でも、それを変えると今度は別物になってしまう気もして難しい。やはり続編ではなくオリジナルでやるべきなのかもしれないですが、押井守は続編のという枠の中でこそ力を思う存分発揮するタイプなのでそこも難しいような…)

*1:観る前の期待も含めて映画だと思っているので、是非はどうあれハードルの存在はある。