男たち、野獣の輝き

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Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

刑務所の中★★★1/2

前々からうわさには聞いていたのですが、WOWOWで放送していたのを録画しており、寝る前にちょっとチェックしようとしたら結局最後まで見てしまった。というぐらい傑作。

傑作というとなんか大げさな雰囲気ですが、モロにボクの好みの映画で、「アルカトラズからの脱出」を観て以来、勝手に刑務所にあこがれていた個人的な願望がかなり充足される映画(実際は入りたくないけど)。

特にクライマックス(?)の懲罰房のシークエンスは、まさに「こういうんだったら最高だろうなあ」というそのままで。主人公ハナワの「ここでの生活が一番思い出に残るかもしれない」という台詞に激しく同感。

当然のごとく山崎努は完璧で、主人公ハナワ(まあ、いわずと知れた漫画家の花輪和一であり、『ちびまる子ちゃん』の花輪クンの名前の由来になった人物)が持っている独特の純朴な雰囲気を冒頭のサバイバル・ゲームの件からガツンと伝えてくれる。それによって、作品全体の夢を見ているような心地よさが共有できる。

同房の面々も、几帳面なB型のボンボンである香川照之を筆頭に、お約束の田口トモロヲが無意味に工場で働いている奴に対抗心をむき出しにしていたりして、「プロジェクトXクソクラエ」気味のいつもどおりブリを発揮して素晴らしいです。

崔洋一監督は「御法度」の近藤勇ぐらいしか印象に無い人なのだが(あんまり映画も観てない)、凄い力のある人なんだと納得しました。(「やったらと眼球が小刻みに動く人だなあ」という印象だけでごめん)

93分という上映時間も実に適切。

そして、なにより素晴らしいのは食べ物に対する描写!

とにかく、ボクは漫画とか映画とかに登場する食べ物に凄くこだわりを持っていて、美味そうな描写には目がありません。この映画はその嗜好をほぼ100%満足させてくれました。普段ならなんて事の無いご飯の数々が、これほど魅力的になるとは! 全編のほぼ半分近くは何か食べているシーンなのも凄いです。