男たち、野獣の輝き

旧映画ブログです。

Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

グッド・ウィル・ハンティング★★★1/2

マット・デイモンといえば、オレンヂ色のパンツだ。

ところが、この映画は違った!

マット・デイモンが凄くちゃんとして見える。

ボクは「おしゃべり」が好きだ。子供の頃は「よお喋るのお」といわれ続け、その度に傷ついてきたので、コンプレックスになっていたのだが、何故それがコンプレックスになるかを考えてみたところ、「よお喋るのお」に相手の嫌味を感じていた訳だ。ということは、相手に嫌がられない工夫をすればいいと気付いた。嫌がられないでおしゃべりをするコツは色々あるが、先ずは「相手の話を聴くこと」。単純だが、会話はキャッチボールで成り立つ。申し訳ないが「うるさいなあ」と思う相手をちょっと観察すれば直ぐに分かる。100%相手の話(自分の話)を聴いていない。ここを誤ると、同じフィールドに立てないので、文字通りお話にならない。次に、「面白い話」をすること。ここでいう「面白い話」というのは、話を聴いている相手にとって面白いということが絶対条件だ。面白いという定義は色々あるが、単純に「笑える話」「興味深い話」などなどだ。この二点を優先順位として守って初めて「おしゃべり」という場が成り立つ。(勿論聞き手にも技術が居るが、おしゃべりの上手な人は聞くのも上手なもんだ)
そして、このフィールドに立ててから、いよいよ「おしゃべり」の技術が要求されてくる。つまり、「面白おかしく相手の興味をひきつけておしゃべりを聞いてもらう」事。これは技術だ。どんなに面白い話でも技術がなければ相手は聞いてくれやしないのだ。
で、結局何を言いたいかというと、みんなこのフィールドに立つ努力をしようよってことだってことではなくて、

この映画はマット・デイモンをはじめとして、登場人物がずっと喋り続けるわけだが、このフィールドに立つという行為が単純だけど肝心という、実にボクにとって興味深い物語だったからだ。副題についている「旅立ち」だかなんだか知らないけど、ボクがこの映画を観ていて感じていたのはそれだ。

マット・デイモンベン・アフレックはこれ以外脚本を書いていないようだが、またなにか書いて欲しいなと思う。二人とも役者してるのもいいけどね。

ただ、一番の功績は、マット・デイモンがオレンヂ色のパンツだけではなく、説得力のある役者だってことが分かったことかもしれない。

ああ、ロビン・ウィリアムズもよかったです。またひげ伸ばそうかなあ。なんて思ったりしちゃったりなんかして。(ボクは一時期ハイジのおんじのようなヒゲ面でした)


あ、ガス・ヴァン・サントの演出も淡い感じがして好みです。


追記:
おしゃべりについて。
ここら辺は多分、ジャズのセッションに近いと思う(いや、楽器なんか弾けないので出来ないんですけど、まあそれはそれ)。おしゃべり=会話というのは即興で行われるセッションであり、高度なおしゃべりは会話に参加していない人でも楽しめる。ダウンタウンが得意としているフリートークがまさにソレだろう。ただ、常に相手が一定しているわけではないので、聞き手や話し手のタイプや周りの人たちの状況を瞬時に判断して、適した話題適したムードを作り上げることも技術の一つかもしれない。
おしゃべりをしているときは、五感を全て駆使し、前後の脈絡から適した文脈を自分の記憶のプールからひねり出し、それを適当なテンポやリズムで送り出す。この脳と身体活動は強烈な快感を産み出す。相手のそれこそ目の動きや指の動きまで「超能力者か?>自分」と言うぐらい鋭敏に空気を察知して脳内で統合して分析して反応させる。これを随時的確なリズムでテンションをドンドンあげていくのは何事にも代えがたい。カロリーも消費するしね(脳味噌を使うと恐ろしく消費するんですよ)。「おしゃべりダイエット」をためしてガッテンで取り上げてくれないかしらん。