男たち、野獣の輝き

旧映画ブログです。

Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

あの子を探して★★★

チャン・イーモウ強化週間の第二段。DVDにて鑑賞。

今回はオリジナル中国語で鑑賞。
今回も人里はなれた村を舞台にした作品だが、途中で舞台が街に移ったりして油断できない。

もっとも油断できなかったのは主人公の設定。

13歳の少女が村長に連れられて学校に現れるが、その少女がなんと「代行教師」。これが結構ショックで、そのままグイグイ見せられた。

日本だと無茶としか思えない設定だが、中国のああいう村ではありえない話ではなさそうな所が凄い。勿論作中でも「大丈夫?」みたいな事は言うのだが、「歌が唄えるから」とかそんな曖昧な理由でOKになってしまう。ははは。しかもその歌ですら途中で歌詞を飛ばす始末。

さらに興味深いのは、ズバリね。

主人公の少女がいきなり駄賃の10元をよこせよこさないのから始まり、劇中でも駄賃を払え払わないのやりとりが続出。ここらも妙に説得力があるのは何故だ?

国旗掲揚の場面でもその国家の歌詞が度肝抜く内容だったり、まったく別の部分で面白がっている自分が妙だ。

その金がらみにかんしては、途中で出稼ぎに行った少年を連れ戻そうとする先生が、バス代を捻出するくだりで、「算数」の授業に様変わりしていたりして結構面白い。多分そういうところがポイントなんだろう。

ただ、この「出稼ぎの子を連れ戻す」ってプロットが後半の主題なのだが、先生と生徒達の絆が深くなる部分が前半にそっくり抜け落ちているのが面白い。脚本上の是非は問わないが、先生と生徒の絆が僕にはまったく伝わらないので、先生が先の目的としか思えない。はははは。
(「一人でも生徒が減らなかったら10元ボーナスだあ」と冒頭で言われている)

といっても、良い映画である事に変わりない。

そういえば、イーモウの映画は撮影がいつも見事なのだが、彼自身がチェン・カイコーの撮影監督だったとのこと。ううん、やっぱり。

追記:後で吹き替え版で見ると、主人公の吹き替えが更に性悪なアプローチで、先の感想を強くさせる。