男たち、野獣の輝き

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Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

英雄HERO★★★1/2

驚いた。

かなり軽い気持ちで観た。

「ドニーとリンチェイのバトルがカッコイイといいなあ」
トニー・レオンかっこいいんだろうなあ」
「タン・ドゥンの音楽かっこいいんだろうなあ」

と言う感じ。

で、

驚いた。

凄い傑作。上記の期待も100%以上満たされる上に、チャン・イーモウの演出は「芸術性が娯楽の一要素である」と言う高次元なところを目指している。
クリストファー・ドイルがフラフラせずに恐ろしいほどに綺麗な映像と、重圧で荘厳な画面構築を成し遂げて、ものすごいことになってる。

タン・ドゥンの音楽もテンションの高い中に哀しみを溶け込ませた最高の出来で、日本の誇る太鼓集団「鼓童」の演奏がまたこれを盛り上げる。

チン・シュウタンの武術指導も、いつものハチャメチャさは影を潜めて、切れ味の鋭い剣戟をみせてくれる。

なによりもテーマが素晴らしく、ここまでアクションで彩って描ききるのは凄い。

ボクはテーマ主義者ではないが、この作品の描くテーマには恐ろしく共感できるので、感動してしまった。

しかも、そのテーマをシナリオの構造上の山場としても機能させている点が素晴らしい。

「グリーン・ディストニー」と比べられる事が多いように思うが、まったく方向性が違うのでナンセンスだ。

傑作!必見。


追記:
トニー・レオンの尋常ではないかっこよさも必見。