剣の天地 (上巻)新潮文庫
剣客商売シリーズが読み終わったのなら鬼平に行こうかなってなところなんですが、バガボンドにも登場した、[剣聖]上泉伊勢守秀綱(かみいずみいせのかみひでつな)を題材にした本を池波先生が書かれているのを発見。
それが、この「剣の天地」
昔の新潮の折り返し部分では分冊表記ではないので、「上巻」だったときは吃驚しましたが、例の新装版で出直してました。
相変わらず433ページもあるのに一気にあっという間に読んでしまったので、下巻を買わなかったことを後悔。明日早速買います。
それにしても、上巻のラストページ。
セリフがぴったりページの末まであって、めくったらいきなり既刊本の紹介ページ!
落丁かと思いましたよ。
で、他の本屋さんで上巻を見てみると「下巻へつづく」って書いてました。
まあ、その字が抜けてるってのも落丁って云えば言えますが。焦らすなっての。
ところで、作品は最高です。
例の「剣なんて別に要らない」の妙技が(勿論こんな軽薄なものではないですが)、池波先生の燃える筆で書かれていて最高です。
「天才は周りの反応で際立たせる」の方法論で完璧に魅せてくれます。
また、伊勢守が先陣を切って自分の城を取り戻しに行く辺りは圧巻で、これで燃えなきゃダメだろうという感じです。
大体、かみいずみいせのかみひでつななんて名前勝ち過ぎます。まあ、武将の名前はどいつもこいつもかっこいいですけどね。