7月4日に生まれて★★
記念すべきはてなダイアリーの最初の感想がこの映画ってのも、なんかベタベタで嫌なんだけど、WOWOWで放送していたのを見終わったのだからちょうどいいんですな。
映画秘宝で「プラトーン」が特集されていたので、オリバー・ストーンのベトナム映画が見たくなっており、実にちょうど良かった。
まあ、一人の監督で「ベトナム戦争の映画」なんてジャンルがある人も珍しいが(深作監督のヤクザ映画みたいなもんか)。
この映画はベトナム戦争に参加して、下半身不随になったロン・コヴィックの実話なんだが、ベトナム戦争のシーンは全編の中でも10分程度しかない。それも珍しくジャングルではなく砂浜や綺麗な野原が舞台に選ばれている。「フルメタル・ジャケット」もベトナム戦争=ジャングルという固定概念を覆して市街戦を描いていたが、この作品の舞台選択も珍しい。
オリバー・ストーンとは腐れ縁の名手ロバート・リチャードソンの撮影が相変わらず素晴らしくて、ストーン映画初のシネスコ・サイズを盛り上げる。
特に前半の笑っちゃうぐらいトム・クルーズのアメリカン・ナイスガイぶりが堪能できる「出兵前のハイ・スクール・パート」は、映像の美しさやクレーン・ショットの綺麗さがそれをより効果的に彩る。
また、ストーン映画初参戦のジョン・ウィリアムズの音楽も場違いに感動的で、ともすればこの映画のメッセージを間違って観客に植え付けかねないほど感傷的だ。でもいい音楽。
この映画でストーンは作品賞は獲れなかったが監督賞でお茶を濁された。ここらへんは「プライベート・ライアン」のスピルバーグに似ている。まあ、どうでもいいけど。
トム・クルーズのオスカーへの挑戦はまだまだ始まったばかりの頃で、道のりはまだまだ長く険しい。