『アマデウス』★★★★
動的なアクションが無くても映画はここまで盛り上げることができる
何度も観るチャンスはあったのですが、何だかんだで最初に観た日曜洋画劇場から30年も経った2016年、ついにスクリーンでこの映画を観ることが出来ました。個人的には劇場公開版に慣れすぎているので、このディレクターズ・カット版は少々長く感じてしまうのですが、それはまあ贅沢な悩みというものです。
全編常にストーリーと映像と音声とお芝居に没入してしまうマジックが漲っている最高の映画の一本。
何もかもが素晴らしくて何から書いていいかもよくわからなくなりそうなぐらいですw
なんといっても、終盤の病床のモーツァルトに代わってレクイエムの代筆を買って出るサリエリのシークエンスですねえ。ただ楽譜を書いているだけなのに、どんなアクション映画よりも熱く燃えるという!
『死霊館エンフィールド事件』★★★
実は感動的なホラー映画というウソみたいな本当の話
寝床の隅でスタンドランプ点けるタイミングとか、その前の暗部表現とか、「おいおい怖いから!!」という凶悪さで、技術の進歩によるワンカット処理を惜しげもなく恐怖演出に利用するあたりもなかなかの手癖の悪さを感じさせてくれるんですよねえ。
意外に特筆すべきなのは虚仮威しに過ぎないテントの雄叫びとかも、お尻がキュッとなるレベルの恐怖に昇華しているのは凄いと思います。タイミングが命なだけに、あんなに上手くいくのかよと感動的ですらありました。その前の消防車とかよぉ!
いけすかない懐疑派の女性を演じてた人、どっかで見たなあと引っかかってたんだけど、『ボーン・アイデンティティ』のヒロインだ!
もみあげを演じるのは『ハードキャンディ』のキンタマ切られそうになるあいつなんですが、エレン・ペイジと共にイメージを引きずられてないよね。わたしにとっては『ハードキャンディ』のふたりだよ。
『ウォークラフト』★★★
<TOHOシネマズ六本木>
ダンカン・ジョーンズの新作として観に行きました。元になるゲームはプレイしたことはありません。
映画は冒頭のレジェンダリーのロゴが一番燃えるとか書いてしまうと、その後どうやって感想書くんだよという感じなってしまうんですがw
それよりも、六本木のほぼ真夜中に近い上映だったからなのか、観客席のほうが映画よりよほど面白くてw
わたしの横に座っていた中国系の一団は、終始退屈そうに観ており、スマホをずっと観ているのは当たり前w 何人も入れ替わり立ち代り外へ休憩しに行く始末。そのくせ最後まで付き合う当たりは律儀なんだかケチなんだかw 十分怒ってもいいような案件なんですが、そんな次元じゃないぐらいの「リビング感」をこの際楽しんでしまおうというw こんなこと書くとまた映画の感想がw
加えて、後ろの方の集団は、アメリカ人と思われる「ガッキガッキにゲームやりこんでるぜ!」という、絶対にゲーム内のギルドで初日キメにキたぜ! という集団。
彼らがまた最高で、「こんな風に映画を楽しめたらホント楽しいよなあ」という。
終わったら終ったで劇場の外で円陣組んで「ああだこうだ」と喧々諤々でしたもん。サイコー
というわけでさっぱり内容には触れられませんでしたが。ダンカン・ジョーンズならではの変な映画だったことだけは確かです。