男たち、野獣の輝き

旧映画ブログです。

Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

『ジュラシック・ワールド』★★1/2

映画は一つでも「ウオオ!」というシーンがあればいい

とは言いつつ、全体的につまらないとやっぱりつまんないんですけどねw

全世界興行収入歴代3位にまでなってしまった、シリーズ最新作。『ターミネーター』同様、『ジュラシック』も立派な巨大フランチャイズになっていますが、さすがに格の違う興行結果をたたき出していますね。とは言え、結論から言って「特にこれといって……」という映画だと個人的に思いました。

ただ、一点、

<以下ネタバレあり>


あの秘書のイギリス人女性が殺されるシーンね!!

恐竜が大暴れしているのに、ファミリー向けの体裁のためか人が殺されるシーンはうまくごまかしている当作品。そんな中、なんで突然としか言い様のないタイミングでこのシーンが登場します。

子どもたちのお守りを任せられていたイギリス人女性が、翼竜に掴まれて高々と空中へ。そこで足を離されて、落下死するのかとおもいきや別の翼竜に掴まれてまた空中へ。しかしまた足を離されて(笑)、今度は巨大プールにドボン、ひゃあそこには巨大なモササウルスが! というワクワクを逆手にとるように、水中カメラに切り替わった画面に水上から翼竜カワセミよろしくザブン!! そして、逃さないぜと言わんばかりにまたそのイギリス人女性をガシっと加えて水上へ。そして、水面に何度も何度も叩きつけ(そのたびに水中カメラw)、よおしもういいだろうと飛び上がると、待ってましたというタイミングで真下からあのモササウルスがガバアアっと現れて翼竜ごとイギリス人女性をがっぷり丸呑み!!!

どうですこのしつこさwwww


一緒に観ていた友人と「あれは絶対にスピルバーグが自分でやったな」と大興奮しました。


思えばスピルバーグは「特にこれといって……」という一作目でも、ティラノサウルス大暴れの超絶シーンに「トイレに座った男を頭から丸かじり」という「あんた何やってんだ!?」という最高のシーンをぶちこんでくれてましたしね。


・・・


いや、別にこういうシーンをてんこ盛りにしてくれといってるわけでもない。ただ、全体的に「サスペンス」の粘りが足りないといいますか、どのシーンでも「もう一山欲しい」とない物ねだりしてしまうんですよね。例えば、崖から飛び降りて水中に逃げた兄弟が助かるシーンでも、「現代の娯楽映画ならその背後に恐竜がザブンだろ!」と思っちゃうわけですよ。

また、個人的に子どもが出てくると、子どもが活躍して欲しいと思うんですよ。子どもが観に来る映画なんだから、活躍して欲しいじゃないですか。この映画のもじゃもじゃ君は唐突に「おじいさんの車を直してたよな」とか言われてエンジン直すだけじゃないw 恐竜オタクっぽいのにそういう生態に関した知識で危機を逃れるシーンが一つもないしw

もっと言えば、クライマックスのプロットもあのもじゃもじゃ君がヒントを出せばいいのになあと思っちゃうわけですよ。

まあ、それでもティラノサウルスが現れて恐竜プロレスという展開は凶悪に胸が熱くなりましたけどね!

しかも、またモササウルスが全部持って行っちゃうのも含めて。


例えばピクサーって、ファミリー向けが基本でも究極にシナリオ段階で練り上げてくるじゃないですか。大人の観客に対しても殺意がプンプン臭ってくる。『ジュラシック・ワールド』には殺意がまったく感じられないんですよね(あのシーンを除いてw)。


もう上から血が落ちてくるとかいう「何万回も観たよ」という演出は少なくともやめてくれ。


追伸。フィル・ティペットが相変わらず恐竜監修でクレジットされているのも思い出してあげてください。




ロストワールド』も全体的にはイマイチな作品ですが、トラックが宙吊りのシーンでガラスがピシピシとか、足の裏に死体がへばりついて何度も踏みにじられるシーンとかがあるから侮れないw


ジョー・ジョンストンがさすがの手腕を発揮した作品で、シリーズの中では恐らく一番完成度が高い。ただ、スケールがあまりにも小さくてスピンオフのような作品になっているのが笑えます。そもそもウイリアム・H・メイシーが出ている時点で推して知るべし。