男たち、野獣の輝き

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Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

『オールユーニードイズキル』★★★

ドキ! 24時間ぶっこぬきクルーズ祭り

事前に情報を意識して遮断していたわけではないんですが、幸運な事に映像はスチールのみ、ストーリーも文庫本の裏のあらすじのみというなかなかの好条件で観られました。

あらすじを読んだ時「これって、『恋はデ・ジャヴ』を未来戦争に置き換えてるわけだね」と短絡的に思ったのですが(原作は未読)、観た後の感想は「これって、『恋はデ・ジャヴ』を未来戦争に置き換えてるわけだね」です。

恋はデジャ・ブ (字幕版)
(2011-10-01)
売り上げランキング: 10,186

ドを幾つ付けても問題ないド傑作。

ただ、これは悪い意味ではなく、アイデア自体は非常に優秀だし、「ループ」はSFのジャンルにもなっているぐらいないので別段問題なし。キチンと殺伐とした世界観の中でも、ループ物ならではのブラック・ジョークが散りばめられていて、結論から言うとかなり楽しんでしまいました。

加えて、「未来戦争」だと思い込んでいて戦いが、実は異星人(?)との全面戦争だったというのを全然知らなかったので、序盤から意外にハートを掴まれていたのはここだけの話。

もっとも、今どき異星人と「地上戦」で「白兵戦」ってのも、ありきたりすぎて苦笑すら憶えますが。まあ、そこは「記号」として解釈するのがマナーでしょう。

また、ノルマンディ上陸作戦をクリアしてからの展開も一捻りあって、先の話が楽しみになるのも好感がもてます。

とはいえ、将軍を説得するあたりで「情報の積み重ね」を活かした”ワザ”を用意していないあたりは明らかに手抜きで、脚本家チームの手腕の無さが露呈しています。主人公が元広告屋で、兵士としてではなくそっち方面での能力を駆使する手を一つでも用意すべきだったはず。

その後の最終決戦もいつものハリウッドスタイルの焼き直しで、「そんなところまでループしなくていいよ」とゲンナリさせられます。

それでも、明らかに戦士とは思えないエミリー・ブラントがどうして戦争の英雄になっているのかという理由付けもあったり、なによりもボクの個人的な好みの女性であったりするあたりはエンターテイメントとしてまったく問題なし。いくら若く見えるとはいえ歳をくっているトムが最前線へ送り込まれるあたりも、あのPR顔と相まって笑えるのはポイント高い。

あと、「最悪の状況の中でフと訪れる自然の静寂」というシーンが大好きなので、海岸を切り抜けてから農家への件は非常に好きです。

結構改変されているということなので、原作も読んでみたいところ。