男たち、野獣の輝き

旧映画ブログです。

Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

シネスイチ板橋プログラム30『幸せの教室』★★★

大学に入ったら若い娘とお近づきになれて、髪型もよくなって服のセンスもよくなりました! しかもジュリア・ロバーツもゲットできました!

若者(特に男性)の射幸心を煽る惹句として「身長が伸びました!」「体重が減りました!」「可愛い彼女がデキました!」などなどがあります。トム・ハンクスの第二回(なのかな?)監督作品である幸せシリーズ第○○弾『幸せの教室』は表面上はまさにこの作りになっていて、脚本もトム・ハンクスが書いていることも含めてちょっと異様な映画に仕上がっていました。

トム・ハンクスの演出はクセのない実に洗練されたもので、時折顔のカットバックで意図的なのか台詞と呼応していないのが特徴的だったぐらいです。

主人公のラリーは中年末期でいきなり働いていたスーパーをクビになってしまう。離婚のために貯金もあまりなく家のローンも終わっていません。仕方なく就職活動をしますが不況なので職はない。クビになった理由が学歴の無さだったことから、一念発起して大学に行く事にします。

ここからもう笑ってしまうぐらい一直線に「いいことばっかり」起こるんですよ。

日本でも中年以上むけのコンテンツが賑わって久しいですが、アメリカでもその傾向はあるようで、さすがに老けてきたトム・ハンクスが中年世代にエールを送るような作りになっているんですね。

それでも、定年でリタイヤしてその後の人生どうしようという生っちょろいものではなく、いきなり仕事をクビになって経済的に大ピンチってあたりの導入からやたらと地に足がついているのが印象深い。もちろんロマコメのことなら勝手知ったるトムですから、そこはそれほど深刻には描かず、基本的には上述した「大学に行く=一念発起したら幸運が舞い込んできた」というストーリーラインを楽しく描いていきます。この楽天的なストーリーは明らかにファンタジーのようなノリなのですが、この安定感こそトム・ハンクスにみんなが求めているものなんじゃないでしょうかね。本人が一番良く分かっているようです。

しっかし、この映画にもブライアン・クランストンが出ていて吹き出しちゃいましたよ。ホント何本出てるんでしょうか? この作品でもジュリア・ロバーツの旦那で「作家崩れのダメ男」を憎々しく演じていました。ブログのコメント欄に書き込んだのを「投稿」したと言いはる姿がイタいw


今日家に戻ったら奥さんが『ユー・ガット・メール』を流していて、どれだけトム・ハンクスのお世話になってるんだという感じで、足を向けて眠られないですね。


ユー・ガット・メール [Blu-ray]
ワーナー・ホーム・ビデオ (2011-04-21)
売り上げランキング: 21643