『インクレディブル・ハルク』★★★
ちょっと大きなマッチョの迫力バトル
『アベンジャーズ』の予習第二弾。
アン・リーの『ハルク』は観てたからいいだろうと思ってたけど、こっちの方は最初から『アベンジャーズ』への布石があるということなので観てみる。何やらいい評判を聞かないので結構適当に観ていたんですけど、意外や意外に楽しめて驚きました。
前作で不評だった「ハルクになるまでが長い」という部分を、冒頭のオープニング・クレジット部分で説明しちゃう荒業には笑っちゃいましたよ。しかも、そこまでしておいて、本編ではやっぱり出し惜しみするようになかなか大暴れしないというw
エドワード・ノートンが演じるブルース・バナーはエリック・バナと違って、変身後のハルクとは似ても似つかないのがいいです。ほんとに「変身」しちゃってる感がすごくて。いい身体だけどやさ男ブリが凄いですしね。天才物理学者っぽく見えるのも好印象。グレイシーに怒りを抑える術を学ぶんですが、結構ちょっとしたことでブチ切れるのも面白い。そのくせ、ニューヨークの暴走タクシーに切れるリヴ・タイラーには「怒りを抑える術」を教えようとしたり。
以前から思っていたんですが、ハルクって普通悪役のような存在なのに、理性でそれをコントロールできるようになるのがミソなんですよね? この映画では最後のほうでやっとそれらしくなるけど、やっていることはまるっきり正義の味方っぽくないのも面白いなあ。最後にコントロールするすべを身に着けたっぽい描写があるので、『アベンジャーズ』では正義の味方らしくなるのでしょうか。
ティム・ロスのヴィランはありきたりで面白みのない役でしたが、軍全体の安い動機付けなども含めて、そこら辺が評価の悪いところなのかな。将軍を演じているのがウィリアム・ハートだってなかなか気づかなかったよ。
しかし、肝心のハルク大暴れのシーンは痛快そのもので、その不死身ブリや破壊力、そして何より俊敏性が高いのが面白い。巨人の戦いだとどうしても重量感が先行してしまって、バトルそのものは破壊オブジェクトに依存しがちだけど、ハルクはスピードも桁違いなので、アクションに切れ味があっていい。終盤はちょっとキング・コングみたいになっちゃってたけど。あと、「ハルク・スマッシュ!」って必殺技叫ぶのね! あれはちょっと燃えた。アメコミ・ヒーローってあんまりそういうイメージないから。
最後にちゃんと『アベンジャーズ』の布石シーンがあって、なんとトニー・スタークが登場。しかもロバート・ダウニー・JRが演じてるし。そういえば『アイアンマン』とこの映画って同時期に公開してたもんね。あれだけでご飯一杯は食べられる。
『キャプテン・アメリカ』のスーパーソルジャー計画についてのセリフもあったし、次は見損なっている『キャプテン・アメリカ』を観よう。ジョー・ジョンストン監督だしね。