『クリスティーン』をWOWOWのハイビジョンで観ました
やっぱりカーペンターの音楽はいいなあ
遂にハイビジョンでカーペンターの『クリスティーン』を観られました。と言ってもそれほど高画質じゃないんですが、DVDよりははるかに高画質です。
超傑作『遊星からの物体X』に続いてカーペンターが作った作品。
『物体X』ではメジャー進出ということでモリコーネに音楽を作ってもらい、奇跡的に絶品のサントラになったのですが、やっぱり自分で音楽をやらなきゃいかんと思ったのかどうなのか、この作品ではカーペンターが再びサントラを手がけています。
笑っちゃうぐらいいつもどおりのカーペンター節なんですが、クリスティーンが「女」であることを意識しているのか、ちょっとだけ音が明るい。ははは。
既製のロック音楽が多く使われているので、前半部分はほとんどカーペンターの音楽が流れないのですが、いよいよクリスティーンが暴走し始めると、キュイイインとかかり出すのが激燃える。
あの音楽がかかり始めると一気に「カーペンターの映画」に変貌するから凄い。
『ハロウィン』で郊外ホラーを開拓したカーペンターが、今回キングの原作を得て再び郊外ホラーを作ったのも興味深いですね。
ボロボロになったクリスティーンが自己修復していく(基本的にただの逆再生なんですが、素晴らしく効果的)シーンの官能性や、火だるまになったままクソヤロウをじわじわ(このじわじわがカーペンター!)と追い詰めていくシーンが最高。
クライマックスの工場のシークエンスも、ショックシーンが大変巧くいっており、カーペンターの音楽と相まってすごい盛り上がる(スケールすごく小さいんだけど)。
何を作っても個性的になるっていう作家性はやっぱり凄い。
ところで、アメリカ人の(理解不能な)車への愛憎はいったいどのあたりから映画に登場してきてるんでしょうね。
車が人を襲うのは当然スピルバーグの『激突!』だと思うんですが、スティーヴン・キングは当然『ザ・カー』を意識して書いてるんだよね?
Varese Sarabande (1989-10-17)
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