男たち、野獣の輝き

旧映画ブログです。

Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

『魔法少女まどか☆マギカ』全話鑑賞! すばらしかった!

まさかあんな展開が!

すでに終了してから1クール分過ぎてしまっていますが、遂に最終回まで観終わりました。

当時評判だけは知っていたのですが、とりあえず最終回まで待って一気に観ようと思って放置していました。震災の影響で最終回直前の回で延期になり、一ヶ月ほど遅れてから放送されたんですよね。一気に観たからいいようなものの、あんなところで宙ぶらりんのまま、続きがいつ放送されるかも分からない状況ってどんな気分なんだろうな。貴重な体験だったろうから味わってみたかった気もする。(今の若い人達がTV版の『エヴァンゲリオン』の最終回あたりをリアルタイムに観ていた気分を到底追体験できないのと似ているのかな)

と言っても最初から一気に観たわけではなく、1話目〜3話目まではけっこうなスパンを空けてチビチビ観ていたのです。あの3話目の衝撃で少し呆然として放置してしまっていたんですね。

なので、今回は4話目から最終回まで一気に観たということになります。

噂には聞いていたので、1話目と2話目の露骨に意識的な「魔法少女」雰囲気はミスリードであることは分かっていたのですが、3話目のあの展開はちょっと衝撃。

それ以降ストーリーはどんどんシリアスになっていき、まったく予断を許さない状況に突入。やっぱり個人的に面白いと思う作品ってのは、こういう「予測」がつかないものですね。

<以下ネタバレ>

まず、どう見ても胡散臭い「キュゥべえ」ね。あいつが心底性悪なのが最高でした。あの「言葉が通じるのに意思の疎通ができない」脱力感が凄い。新興宗教にどっぷりハマっちゃった人でもあれよりはマシじゃないかと思える。根本的に人間の感情や理屈や常理を「分からないフリ」をしているところがヤバい。正体が分かっても、まどかたちの側にいけしゃあしゃあとテクテク存在しているあたりは絶妙。本編では「分からないフリ」という設定は表に出ていないのでボクの憶測ですが、明らかに「理解」した上でまどかたち人間の「心理」を言葉巧みに操作していますよねえ。

「お願い」だけは律儀にちゃんとかなえるあたりも何とも言えない不気味さを醸し出しています。


あと、10話をまるごと回想に使って明かされるほむらの正体ね。あれは泣き燃えたですよ。ボクの一番大好きな展開です。実質的な主人公がほむらだったことが明らかになるんですけど(まどかは狂言回し?)、その動機が「ともだちを助けたい」って最高ですよ。しかもボクの大好物である「オドオド娘」がどんどん性根を据えていくあたり素晴らしい。しかも、魔法少女だってのに、「時間操作」しか(かなり凄いんですけど)魔法が使えないので、攻撃手段が現実の武器しかないってあたりも最高。最初の武器がいきなり「ゴルフのドライバー」ってむちゃくちゃ笑った。



しかも先輩魔法少女たちにビミョーな反応をされたほむらは、しぶしぶ武器調達に「やくざ」の事務所に時間を止めて潜入する。オドオドしているのに、ロッカーを開けて次々と強力な銃器(ショットガンまで)を入手していき、挙句にカイル・リースかトラビス・ビックルのように部屋の中でパイプ爆弾をいそいそと作り始める。

とにかくあの10話はホント素晴らしすぎ。


そのとことんこだわりぬいた「実弾主義」がいよいよ炸裂しまくる最終話もホント強烈でした。あれだけの迎撃兵器をセコセコと「未来の想い出」状態で準備していたのかと思うと目頭が熱くなる。しかも、当のほむらは何度目かは知らないけど、作業的に終始無表情なのもいいんですよねえ。「次はあれやってこれやって」的な。一番好きなのは「とどめ!」のタンクローリーね。ほんとゴルフクラブといい武器のセンス良すぎ。

まどかの「願い」によって一気に大逆転するカタルシスと感動も近年稀な物がありましたし、4時間弱の一本の映画として観ても何ら問題ない完成度の高い作画やビジュアル造形も素晴らしかった。

そして、相変わらず絶品な音楽をあててくる梶浦由記も凄い。作品の本質を理解したエンディングテーマなんかヘヴィロテですよ。

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ホント面白い作品を観られて幸せでした。