男たち、野獣の輝き

旧映画ブログです。

Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

ドニー・イェンの『導火線』★★★


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ドニー・メソッドに則りながらも、異様な緊張感を保つ傑作

四年前の作品にも関わらず、長らくドニー鎖国の続いていた日本ではいつまで経っても公開のめどが立たなかった作品。今年いよいよドニー開国を果たした日本でも遂にDVDで登場。

さっそく観ましたが、異様な緊張感の漂う傑作でした。

総合格闘技の立ち回りを取り入れたアクション監督ドニーが創り上げた各シーンはやたらとテンション高いアクションで息もつけない凄まじさ。とは言え銃撃戦のシーンになると、とたんに「やり過ぎて」ずれてしまう感覚も微笑ましい。思わず大笑いしてしまうシーンも何箇所かあり(勿論ドニーは笑わせる気など無い)、「うーん、ドニーだな」と感慨深い気分に。

88分しかない(最近短い映画ばっかり観てるな)本編は、シンプルに作りこまれており、それでいて予定調和というわけでもなく、意外と意外な展開が続きます。左遷されたドニー刑事の行先が「警察音楽隊」というのは見事に大笑いさせられた。しかも完全にやる気なく大太鼓を叩いていたと思わせておいて、実はみんなの演奏を的確に指摘して指導していたりするから油断できない笑い。

そして、ドニー主演ということもあって、ドニーの大暴れを期待する観客の気持ちをジリジリ引っ張っていくのも意外で、開幕いきなり大暴れをしたかと思ったら、中盤までドニーは怒っているだけ(もしくは筋肉を見せびらかすだけ)。

なので、いよいよドニーの導火線に火がついてからの怒涛のアクションでは声が出るほど燃える。

敵役の安否が気になってハラハラするなんてドニーとブルース・リーの映画ぐらいですよ。やはり正当な後継者。

迎えたクライマックスの対決はとにかく半端じゃなくて、まさに総合格闘技を主体とした「相手の意識を断ち切る」事に特化した攻撃が凄い。かと思えば、やっぱりぶち切れてジャケットを投げ捨てると、完全にいつものドニー・モードに突入するあたり、観客の気持ちをよく分っている。

お約束のケリケリ、ドヤ顔、フェイントフェイント、ドヤ顔のドニー・メソッドもキチンと披露してくれます。


いやあ、ドニー・ファンには応えられない傑作でした。


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さあ、明日は『イップ・マン』だ!