傑作『アウターワールド』開発者の回顧録
ストーリーはその時の自分の感情に合わせて制作していった――傑作「アウターワールド」のエリック・シャイ氏による開発回顧録
そんなことがあったためか,シャイ氏はゲーム開発で奇妙なアイデアを思いつく。「ゲーマーをあっと驚かせるには,自分も予測できないことをしなければならない」と考えた彼は,脚本やストーリーの構想さえも作らず,レベルごとに行き当たりばったりでストーリーを作り上げていったのだ。
どうりで、まったく予測不可能なストーリーな訳だ。ははは。モノを作るってのは色々なパターンがあっていいと思うんですけど、基本的に「これ」に尽きるな。誰からの干渉も受けるべきじゃない。
あるとき「BGMを変更する」というFAXがシャイ氏の元に舞い込んだという。
これに賛同しなかったシャイ氏は,何度もFAXを使った手紙のやり取りを行い交渉を重ねるのだが,議論は平行線。頑なに自分の意見を曲げなかったシャイ氏は,挙句の果てに“Infinite Fax”(無限ファックス)を考案したというのだ。
これは,長いFAX用紙の両端をFAXを通してループ状に張り合わせ,永遠に「BGMを変えるな」というメッセージを送り続けるという行為。Interplayにとっては業務妨害以外のナニモノでもないが,アナザーワールドを生み出した天才開発者が見せた,ちょっとした狂気といった趣があって,実に興味深い。
これも素晴らしいエピソードだ。プレイした人間なら分かると思いますが、あのユニーク極まる音楽を変えるなんてナンセンス極まる。そこで意地を通したシャイ氏の行動は全く正常だよなあ。それにしても無限ループは狂気。ははは。