男たち、野獣の輝き

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Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

『アメリカン・プレジデント』★★★

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明らかにプロトタイプ

ザ・ホワイトハウス』の脚本家アーロン・ソーキンが脚本を書いているから観てみました。

マイケル・ダグラスアメリカの大統領を演じるという「悪い冗談」みたいな映画だと思って、公開当時はまったく意識していませんでせした。ロブ・ライナーは大好きな監督ですが、この映画の頃はなんだか不発の映画が多くて、そういう点でもまるで興味をひかれなかった記憶があります。95年の映画ということはもう15年も前の映画になるんですねえ。

もちろん今回観た理由は、脚本が『ザ・ホワイトハウス』のアーロン・ソーキンであるからなんですが、笑ってしまうぐらい「らしい」脚本に仕上がっていました。そもそも、こちらの映画でもマーチン・シーンが登場するのですが、なんと首席補佐官の役どころ。しかも名前が「A.J.」(!)広報担当は黒人とはいえ「背の高い女性」。ちゃんとユダヤ人もいますし。『ザ・ホワイトハウス』ではロブ・ロウが演じているサム・シーボーンの役回りは、なんとマイケル・J・フォックスですよ。しかも彼がかなり素晴らしくて、パーキンソン病を患っていて、ユニバーサルとの契約に縛られていたとは思えない好演です。

で、問題のマイケル・ダグラス。この大統領がなんと支持率62%(!)。マイケル・ダグラスのパブリック・イメージとこれだけかけ離れた設定には正直面食らうんですが、見ているとこれが実に「悪くない」。髪型がキッチリとした七三だからなのか、小川真司の吹き替えがいいからなのか(『ザ・ホワイトハウス』を吹き替えで観ている所為で、どういうわけがこの映画も吹き替えでないと違和感がありすぎて開始早々切り替えました)、ちゃんと支持率が高そうに視えるから恐ろしい。

ただ、奥さんを癌でなくしている男やもめの設定であるダグラス大統領が、アネット・ベニングに、「愛した女性は二人だけだ」って真顔で言い切るあたりは苦笑しましたが。

ロブ・ライナーもカッチリと誠実に演出をしているし、『ザ・ホワイトハウス』同様ホワイトハウスを中心とした舞台展開は巧くまとまっていて破綻がない。大統領が主人公というお約束のギャグも適度に混ぜてあってなかなか侮れない秀作でした。