『グリーン・ゾーン』★★1/2
グリーン・ゾーン 【ブルーレイ&DVDセット・2枚組】 [Blu-ray]
テンションが低い
結局劇場で観損ねたのでブルーレイで観ました。
ポール・グリーングラスが本来志向している「ドキュメンタリック」な作風としては『ブラディ・サンデー』以来となる作品で、初めての本格的なミリタリー物ものでもあります。
ただ、今回はいつものような手持ちカメラによるタッチは踏襲しつつも、同一カットでどんどんカットを刻んでいくようなソリッドな編集は抑えられている。編集はいつも組んでいるクリストファー・ラウズなので、これは監督が意図的に抑えていると考えられる。なので、個人的にはテンションがいまいち上がらず、終始「普通の映画」を観ているような感覚だったのが正直なところ。
ボクのような「映画にメッセージ」を求めていない人間にとっては、ポール・グリーングラスが本来志向する部分に比重を置かれると少々居心地が悪い。それに、フィクションとしては先の読める安っぽいシナリオなので、さらにグリーングラスの「テンション芸」と言ってもいい部分に期待が偏ってしまったかもしれない。
ジョン・パウエルの音楽は相変わらず刻んでくる音楽なのだが、使い方がいまいちハマっていないように感じたのも残念。