『青い花』最終回
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巧みな脚色と演出が輝く最終回
今までのエピソードでも、原作の(良い意味での)省略の多さや説明不足な部分を適切に補完してきた脚色と演出ですが、この最終回でいよいよその本領が炸裂。
基本的には第三巻の最終話『冬の花火』を基本にしており、大筋においては変わりはないのですが、前後のエピソードを巧みに入れ込み、時間経過をなめらかにすすめ、実に見事な最終回として完成されていました。
特に素晴らしいのは改変されたエピソードの数々とオリジナルのエピソード。
ふみちゃんと恭己先輩がホームで一緒になるくだりは特に素晴らしく、ビスタサイズを活かした横長の構図が二人の距離感を絶妙に表している。しかも、先に乗った恭己先輩を、ホームに残ったふみちゃんが意を決して見ると、なんと反対側の窓を向いて立っているんですね。これは美しい。二人の決別をこれ以上ないぐらいキッチリと描いていました。
あーちゃんが康一と会っているのをふみちゃんが目撃する改変も実にスマートで、お風呂でやきもきするシーンへもスムーズにつながっています。
クリスマスパーティーは雪の演出も見事で、先行して入ってくるエンディング・テーマ『センティフォリア』も感動的。クレジットが流れる中で、ふみちゃんとあーちゃんが出会った小学校に二人が行くエピソードもラストを綺麗に締めくくっていました。
しかも、原作と違ってふみちゃんはあーちゃんへの想いに気付くだけでそれを伝えないんですよね。これはいい。
久々にウットリするぐらい感動しましたよ。