男たち、野獣の輝き

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Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

遂に中田秀夫監督と高橋洋脚本の傑作『女優霊』がDVD化


間違いなくJホラーとかいうムーブメントの嚆矢

『リング』によって決定的な市民権を得たジャパニーズ・ホラーというジャンル。間違いなくそこに一本の線があって、それ以前とそれ以降に区切られて語られるべき存在ですが、それ以前の作品でもっとも重要な作品の一本は言うまでもなくこの『女優霊』でしょう。

何の予備知識もなく、中田秀夫監督を招いた上映会にお客が少ないという理由で、サクラとして観に行ったあの日の衝撃は忘れることができません。おぼろげに頭の中にあった「本当に怖い映画」がイキナイ眼前に叩き付けられたわけで、その夜は興奮と恐怖で眠れませんでしたよ。

『リング』は原作の小説が一部で騒がれており、テレビドラマ化された時も話題だったのですが、映像をちょっと見ただけで「これはつまらないな」とやめてしまった覚えがあります(後日改めて観たけど、あの時の勘はもちろん当たっていました)。

そんな作品でしたが、中田秀夫監督と高橋洋のコンビで映画化されるという情報が耳に入った時の衝撃。


「あの『女優霊』のふたりか!!」


今の奥さんと銀座の劇場で観た時の恐怖ときたら……


まあ、それはおいとくとして、『女優霊』は今観れば中田秀夫監督の恐怖演出にも若干迷いというかブレがあったりするのが分かりますし、高橋洋が指摘しているようにクライマックスのアレは今観ると虚仮威しに過ぎないんですが、やっぱり細部にやどる「やらかした」感はすごい。フィルムに写った女優の背後に微妙に幽かに映り込んでいる幽霊や、それをスタインベックでゆっくりと一コマ一コマ観る時の拡大処理などは凄まじい緊張感。フィルムなので当然音声がついていないあたりの、無音処理も半端じゃないです。




柳ユーレイの自然すぎる芝居も抜群。


【仕様】<映像特典>
・劇場予告編
・特報
・『女優霊』の原点・幻のTV番組「シエラデコブレの幽霊」を探して <オーディオコメンタリー>
出演:高橋 洋(脚本)、篠崎 誠(映画監督)、田野辺尚人(映画秘宝)

オーディオ・コメンタリーも興味津々ですが、『シエラデコブレの幽霊』を探しても楽しみですね。あれの本編も遠からずDVD化するのかもしれませんね。