男たち、野獣の輝き

旧映画ブログです。

Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

電子書籍の基本からカラクリまでわかる本 (洋泉社MOOK)


ラクリがわかるほどじゃないけど

洋泉社らしい煽ったタイトルですが、ムック本らしい値段にも関わらず日本からの視点での”電子書籍”を取り巻く現状が分かって面白かったです。

iPadキンドルの登場でアメリカでは俄然”電子書籍”が注目されているようで、日本ではこれからどうなるのかという話。

iPadは実際に持ってみると「ちょっと重すぎる」と感じたのですが、ビュワーとしての面白さはなかなかのものがありました。特に面白かったのは(手前味噌で恐縮なんですが)、ボクの作ったHP『変ドラ』を検索して表示した時。当時はまったく意識せずにレイアウトなどを作っていた奥さんなんですが、iPadで見てみるとやったらとシックリくる。

<変ドラ・ページ〜なんだ、こりゃ?〜>

ふたりで「なんで、こんなにシックリくるんだ!?」

と驚いていたのですが、あれはiPadが「縦長の画面」だったからじゃないかと思い至りました。当時から読んだ人に「あのページはスクロールして読むから面白い」と言われていたのですが、確かに縦長の画面を手に持って右手でひゅんひゅんスクロールするiPadインターフェイスと相性が実に良いんです。

今回の本を読んでいても思ったのですが、”電子書籍”だからといって「本の再現」にこだわるのもどうなんだろう? って事です。

もちろん紙ベースの書籍は完成されたものであると思いますし、日本語特有の「縦書き」「ルビ」などなどへの対応も熟成しまくっています。しかし、その部分が現在の”電子書籍”のフォーマットへの壁にもなっているそうで、確かに小説などのテキスト中心のコンテンツなら現在でもビュワーで負担無く対応できていると思うんですが、それでもやっぱりそれは”本”の代用だと思うんですよね。いや、”電子書籍”の第一目的が「本の軽量化や利便性」にあることは百も承知なんですが、”電子書籍”でしか体験できない読書体験を取り込んだコンテンツも同時に発展していっても良いんじゃないかなと何気なく思ったりして。

例えばwikipediaなんて調べ物が目的で読み始めても、あれこれとクリックして色んなところから、全然関係ないところまで読んでいくのが楽しさの一つだったりするじゃないですか。ああいうのがフィクションなりの創作でも応用されるようになったら面白いだろうなあと思うんですね。

従来の「頭から読んでお尻で終わる」という本の持つ大原則のようなモノも簡単に崩れてしまうような気がするんです。


「雑誌」なんかが一番シックリくるコンテンツのようにとらえられがちですけど、あれってインターネットで無料で得られるニュースなどと差別化するのが難しいような気もします。もう十分iPhoneによる携帯端末で情報を得るという意味では果たされてきていますから。やっぱりコンテンツの面白さが重要になってくるんでしょうね。

そういう意味では、「雑誌」は写真と記事などをペラペラめくって楽しむ「カタログ」的な側面が強いと思うので、「雑誌」の方が書店販売としては生き残るような気もしたりして。

雑誌の広告にバーコードなどがあり、それをスキャンすると”電子書籍”が購入できたりするんじゃないのかなあ。

話がグルっと戻るんですけど、日本での電子書籍の売り上げの7割をコミックが占めているという現状があるそうで、売り上げが落ちているとはいってもコミックは大きなコンテンツになると思うんです。ボクもiPhoneでコミックを読んでいたりすると、もうちょっと画面が大きければ問題ないのになあと思うんです。で、iPadに期待していたのですが、コミックを読むには必要以上に大きいので、小さくしてでも軽くして欲しいというのが本音。やっぱり新書サイズとかB6サイズのコミックになれている購買層には、それぐらいの大きさで十分だと思うんですよ。文字ベースならもっと小さい文庫版があるわけですし。

そこで、iPhone4です。

iPhone3GSは小説などのテキストを読む分には十分なんですけど、コミックを読む時にはやはり細部がボケてしまう。画面が大きくなればそれはそれで解決する問題なのですが、解像度が上がるiPhone4だとどうなるのか? これがハードとして買い換えたい最大の理由かもしれません。もしかしたら、解像度の変化によって、あの小さな画面でもストレスなく漫画が読めるようになるかもしれないんです。それが実現したらiBookでどんどんコミックを取り扱って欲しいと切に願います。そして、是非ともパカっと開くタイプのiPhoneを開発して欲しい。「見開き」もコミックの重要な演出の一つなので。

なんだか”電子書籍”の話なのか何なのか分からない文章になってしまいましたが、ペーパーレスのコンテンツには大いに期待したいってことで。



遠からずこういった事も夢でなくなりますね。自分で作ったでたらめな本を配信するなんて楽しそうだ。